サガ"フォッソル" 第十三話色事師(前編)プレイ:2004/12/23 5話でヴェゼイ村の神父の堕落を咎めて以来、フォッソル近郊の村や街では悪魔がらみの事件がたびたび起こっていた。目を付けられたのではないかという危惧もあるにはあったが、しかしなにしろ、それらを毎度退けてきた面々だ。また来たら来たで、それはカモネギならぬ「悪ウィー」(悪魔がウィースを背負ってくる)だと言って恐れるところがない。 業を煮やした悪魔の首領(SG)はついに本腰を入れ、新たな刺客にグラストンベリの黒修道士の技を授けて差し向けた。
というわけで、まずはセッションの数日前にPLたちに流した次回予告(声:銀河万丈)でありました(^^;) ※ちなみに私たちのトループでは、この前編が四版の遊び納めになりました。
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《激しい恐怖》×3(−2の欠点×3つ) 特定の物事によって圧倒的な恐怖に満たされる。 恐怖の対象は… 教会 聖書 聖職者 です。 |
ファレル:(机に突っ伏す)
SG:教会に近づくにつれて、胃袋がむかむかして、手が震えてきます。
そして、昨夜ソーンに脅かされて心細くなっていた神父は、
「博士様」を見つけると大喜びで駆け寄ってきました。聖書を抱えたまま。
ファレル:泡を吹きながら這って逃げます…。
SG:いつの間にか周囲に人だかりができていました。
街の人たちは最初は面白い見世物のように笑い転げていましたが、
だんだん気味悪そうにひそひそやりだしますねぇ。「まさか悪魔の?」
ソーン:思いっきり墓穴掘ってるじゃんよ。
ファレル:悪魔なんて、悪魔なんて、本物はこんなもんじゃないんだぞォォ!
一方そのころ、ソーンとアグリッパは地獄オーラの弱まりやすい昼を衝いて、サン・ジャックの丘を探りに行った。
本当はラサも行くはずだったのだが、
ラサ:このあいだ開発した ReIm“右向け左(改)”をかけます……いきなりボッチ!
SG:じゃあラサの及ぼす感覚作用は、五感にわたってどこかにいってしまいました。
どこに失くしてしまったか、ラサ自身も皆目見当がつきません。
ラサ:自分を探しに行ってきまーす(泣
というわけで脱落(^^;)
ジャンが儀式をしていた石碑辺りに、アグリッパがさっそく「土雷砲」を打ちこんだところ、碑の頂点に彫り込まれていた石の悪魔像が、動かぬはずの石の羽根をばさりを開き、二人めがけて鋭い爪で襲ってきた。上空を舞う敵には「土雷砲」が通じず、有効な反撃をできぬままソーンが深手を負う。
とっさにソーンは合い言葉を唱えて「翔る太陽の指輪」を起動すると、高速で飛行して振り切った。アグリッパは潜航し、土雷砲を連打して石碑を傾かせる。向こうも地中のアグリッパには手が出せないらしく、一日あたりの回数制限で土雷砲が弾切れになったところで、いったん水入りとなった。
逃げ帰ってきたソーンに、「ダミアヌスの剣」で血から変換したウィースでもって、ファレルが何度もCrCo“外科医の癒しの接触”を使う。ソーンが回復判定で2を出しまくって二人ともふらふらになったが、なんとか全快。ラサも日が沈んだら姿形が帰ってきた(笑)
そしてここまでの情報をファレルの〈隠秘知識〉にかけたところ、ダイスが回って悪魔崇拝者のもつ能力の全貌が明らかになる。
悪魔崇拝者悪魔と取引し、この世ならぬ力を授かろうという者は、今も昔も後を絶ちません。また悪魔の側も、魂を手に入れる絶好の機会(*1)として、これを好んで受け入れます。そうした利害の一致があるため、悪魔崇拝者になるには、何の美点も必要ありませんし、欠点が付与されることもありません。「狭き門より入れ。滅びに通じる門は大きく、その道も広い」(マタイ伝7章13節)は真実なのです。(*2) ここ(Web上)では詳細は省きますが、彼らはルール的には、三つの特殊能力を持ちます。 いずれも祭壇による儀式が必要です。 悪魔崇拝者はまだ人間であり、地獄実力値の項目は持ちません。そのため、神聖オーラにも、不快に感じることはあっても、悪魔のように直接的な害を被ることはありません。ただし、地獄に汚れた身であることは間違いがなく、たとえば聖餐式でパンとワインを受けようとすれば炎のように火傷をすることになりますし、教会など5点以上の神聖オーラの中では、特殊能力は一切使えません。 (*1):悪魔崇拝者は儀式の判定でボッチしたら、一週間以内に魂を一つ捧げないといけません。普通は他人を殺してその魂を捧げますが、それができないと自分の魂を捧げさせられることになります。 |
宵の口になって、ロダン神父とドン・セベリノを連れてリノアが戻ってきた。ロダンを見たとたん本能的に逃げるファレル(笑) 仕方がないので、
アグリッパ:セベリノ殿、あなたの(剣の)弟子が悪魔憑きになってしまいました。
セベリノ:なんと!
アグリッパ:教会に連れ込めれば助かると思うのですが、本人が嫌がって暴れるもので私どもにはどうにも…。
セベリノ:よしわかった! ファレル、歯を食いしばれ!(ガツン
気絶したファレルに布をかぶせ、荷物にカモフラージュして教会へ担ぎこむ。御聖堂に入ったとたん、ファレルに巣くっていた恐怖心は嘘のように消え去った。(←呪詛の効果は神聖オーラ5以上の空間では一時的に停止する)
ロダン:告解室で尋問モードに入ります。そして「君には悪魔憑きの疑いがある。
悔い改めのために夏至まで教会で奉仕しなさい。ずっと泊まり込みだよ」
(↑懺悔と悔い改めの苦行を終えて聖餐式を受けると、呪詛を完全に除去できる)
ソーン:おい、誰かに出てこいとか言われても、聖堂から出たら絶対ダメだからな。
たとえ我が輩や神父に呼ばれたってダメだぞ?
ファレル:あいよあいよ(もう開き直り)
ファレルを安全な教会にカンヅメにし、魔法抵抗をもたないセベリノにはアグリッパが護符をもたせた。その夜ふたたび丘の見張りに立ったラサは、ジャンが悪魔像に命じて祭壇を直させたのを目撃。さらにジャンは昨夜と同じく呪詛の儀式をし、今度は生贄に黒猫を捧げていた。
そして魔法抵抗に見事に失敗し、SGからカードを預けられるラサ(笑)
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《激しい恐怖》(−2の欠点) 特定の物事によって圧倒的な恐怖に満たされる。 恐怖の対象はズバリ ネズミ …です。 |
ラサ:ぐぎゃー!!
SG:捕まったネズミと一緒に、仲良く腰を抜かしててください。
そこへ野良猫の一匹がやってきて、ラサの目の前のネズミをかっさらうと、
嘲笑っていきます。「なーにやってんだよ、ネズミ見てひっくり返ってやーんの!」
意気消沈して腹ペコのまま館に着いたラサは、獅子のイオン君のところに立ち寄ったのだが、そこでまたびっくり。彼の自慢のたてがみをはじめ、全身の毛が抜けて、皮膚がかさぶただらけになったのだ。しかもひどいかゆみがあるらしく、しきりにかきむしっている。
InAn“ドリトル先生の聴診器”で話してみれば、どうも結婚式のときに罹った奇病と同じらしい。あれは悪魔憑きの司教の祈りが原因で、言い伝えのとおり猿を食べさせたら治ったのだが。ラサは勇気を振り絞って(←犬が苦手)キャペ卿にそれを伝えると、ソーンたちにも知らせようとすぐさま取って返して、屋敷の塀を飛び越えようとした…
ラサ:【反応】と〈運動〉で判定?
SG:いつもならね。だが今日は、そこで2枚目のカードを開きたまえ。
自動ボッチ以下の能力を使う判定は、自動的にボッチします。 〈認識〉 〈運動〉 〈隠密〉 呪詛の例にもれず、持続は「永続」です。 やーい、ダメ猫! |
ラサ:んぐぐぐぐ!
SG:落ちましたな。まっさかさまに。尻から。
ときに、キャペの館は猫屋敷だそうですね。目撃者(目撃猫)には事欠かないでしょうなあ。
ラサ:(頭を抱えて)ああああ、もう猫集会に行けない!
SG:オルゴンの猫を対象にした「ネズミ怖がり」という評判を差し上げましょう(笑)
一方、サン・ジャックの丘では、祭壇の破壊があっけなく成功していた。悪魔像も姿を見せず、ロダン神父らの前に焦土戦術をとったものか。その留守に、教会のファレルを訪ねる人影があった。
SG:(しっかしマギの中でもよりによってソーンを残してきたか…厄介だな。まあ仕方ないか)
神父がアグリッパたちと丘に行っているあいだに、器量よしの娘がファレルのところに来ました。
「手前は誉れ高きムッシュ・ジャンの召使いでございます。主人よりファレル様宛に内密の御用を
言いつかってまいまして。ついでにお昼をご馳走致しますので、向かいの旅籠にいらっしゃいませんか」
ソーン:おい。
ファレル:分かってるって。「俺は悔い改めの最中なんだ。食い道楽などもってのほか」
召使い(SG):「それではこちらでかまいませんが、どうぞお人払いを」
ソーン:じゃあ教会の関係者だけ出てもらおう。我が輩は残る。
召使い(SG):(無人をたしかめて)「結構でございます。ではこちらを。
主人よりのファレル様への贈り物にございます」と言って酒瓶を差し出す。
ソーン:ダーメーだ。こいつには改心するまで何も与えられん。すかさず取り上げて…
SG:(淡々と遮って)触った途端に瓶が爆発し、炎が溢れました。
ソーン:うわ、いきなり荒っぽい手で来たな。魔法抵抗はしてもいい? ……よし楽勝。
ファレル:自信値つっこんでこっちも成功。持ってきた女中も巻きこまれてるよね?
SG:抵抗できてません。というかもともと魔法抵抗ないの。かなりの火傷っぽい。
ファレル:なんだ、自爆しただけじゃない。
SG:ふふふ、しかしそこで彼女は叫ぶのですよ。
「うわぁ! 罰当たりな妖術師が教会を焼き払おうとしたぁ!」
召使い(SG):(火事を消そうと駆けつけてきた人々に向かって息も絶え絶えに)
「司祭様ぁ! 助けてください! あたしはワインを届けにきただけなんです。
そうしたらこの妖術師が地獄の炎で教会ごとあたしを吹き飛ばそうとしたんで」
ファレル:おい、なに言ってるんだ。お前さんの主人がもたせた瓶だろう。
召使い(SG):「見てください、どっちが嘘つきか!
あたしがこんな目に遭ってるのに、奴らは服の端ひとつ焦げてないじゃないですか!」
ソーン:パルマを逆手に取ってきたわけか。とにかくここは群衆にアピールだな。
「誓って言うが、我が輩は何もしていない。受け取った瓶が突然爆発したんだ。
我が輩が無傷なのは、神のご加護をおいて他にない。偽証者は守られなかったのだ」
SG:んじゃあ、【交渉】+〈指揮〉とかで振り合いましょうか。天稟の社交ペナルティ入れてね。
コヴナントの評判(善良な博士)は足していいけど。
ソーン:我が輩は〈陰謀〉使ってロダン神父が来るまで引き延ばす。
SG:(いつものようにオープンダイスで)……しまった、負けた。
群衆を前に言い合いを続けているところに、丘に行っていた人たちが戻ってきます。
どうもうまくいってないみたいなんで、ムッシュ・ジャンも来よう。
ロダン:身許を明らかにしてくるなんて、こいつ馬鹿じゃね?
私は司祭の地位ぶん修正がつきますよね。【交渉】も〈指揮〉もあるよー。
「博士殿は鑑札をお持ちだし、後ろ暗いところがないことは私も保証しましょう。
むしろここで問われるは、罰当たりを雇った主人の資質ではありませんかな?」
キャペ:集まって騒ぎになってるんだったら、キーさん(←自分のこと)も行くよ。一応領主だし。
SG:旗色悪いな。これは引き際かな。現場に着いて情勢を見て取ったジャンは、尻尾切りに出ます。
「たとえこれが神意だとしても、それはこの者に向けられたものだ。
人の身の私に見抜けなかったからこそ、主がそれを報せたもうたのだろう」
と【交渉】と〈指揮〉と封建貴族の地位と「十字軍の英雄」の評判で。
……そして彼女には《神話的:魅力》で一つ頷いてやろう。
ソーン:むむむ。
結局その場は召使いの娘一人の問題となり、ムッシュ・ジャンの責任はうやむやになった。彼女は裁判にかけられたが、ジャンの関与はおろか何も認めないまま、火傷に拷問も重なって死んだという。見届けて互いにオルゴンを出立する日、ソーンはジャンにねちねちと嫌みを言い、ジャンもまた、含みのある嫌らしい微笑で応えた。
呪詛を喰らっていたファレルは修道院に移って、酒造りを学びながら懺悔懺悔。「こういう労働もいいなぁ!」と思っているとかいないとか。
「元々コイツ、若い頃は一兵士で、その後マギに弟子入りして、近くのコブナントにはヘコヘコして、最近ではセベリノに弟子入りまでしている奴ですから、今更教会でアゴで使われても苦とも思ってないんでしょうね。談話時間でもあるのなら、去年9カ月も旅していた話とか、ビール作成失敗話とかおもしろおかしく喋っている事でしょう」(PLのおやぶんさん談)
ラサも教会に放り込まれた。ネズミ懺悔でなんとかかんとか。
ラサ:これじゃ猫でいられない。人間の姿になろう。
ソーン:お前誰だ? (笑)
ラサ:二足歩行ひさしぶりー。すっげー歩きにくい。
「ネズミいっぱい殺しました。ごめんなさい」
ソーン:それ悪いと思ってたの?
ラサ:いんや。猫がネズミを捕るのは自然の摂理だよ。
アグリッパ:しかしネズミ花火は罪だろう(笑)
というわけで戦いは後編へ続く!
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