楽士の呟き

2003年冬

12/1

 先々週、Ars Magica Mailing List で David Chart氏(アルス・マギカの出版を取り仕切っているお方)が、「日本にいたんで Project Redcap の更新が遅れちゃったよ」と書いてました。すわ、日本語版もいよいよカウントダウンか!?
 …と喜んだのですが、なんか渡航の目的はそれではない様子。もともとケンブリッジで科学哲学を学んだ彼、なんでも日本語の勉強をしに来たんだそうです。個人ページにはなんと日本語の日記まで載せてます。すごいぜ!

12/7

 ラテン語名句の Sonus est Argentum を書いていて、一つ笑い話を思い出しました。
 「銀の元素記号で何だったっけ?」 ちょうど私が個人でアルス・マギカを訳していたころ、友人と久しぶりに会って話はずんでいましたら、どういう流れだったかそんな話題が出ました。理系の彼は、すぐに Ag だと答えます。でも私は納得できない。勉強したばかりのラテン語では、銀は Argentum だったはず。だったら Ar じゃないの?
 喧々囂々の議論の末に、彼は言いました。「でもさぁ、塩化銀って AgCl でしょ?」
 一瞬の沈黙、そして爆笑。たしかに私の本能も、塩化銀が AgCl でなかったら気持ち悪いと告げています。これには兜を脱ぎました。多用して身体に刷りこまれた知識ってスゴイ。(ちなみに Ar の正解はアルゴン^^;)

12/22

 うー寒い寒い、さすが冬至ですね。年に一度の恒例行事、ReVi“炉辺の守り”の張り替えはもうお済みですか? 柚子湯には入られました? あたしゃこれが毎年楽しみでしてねぇ。歳時記万歳。

 このまえ自信点の記事を上げましたが、ちょうど一昨日あたりからメーリングリストでも話題に上っています。私のような多用(濫用?)派はどうも評判が悪くて、「困ったちゃんプレイヤー」とみる人が多いようです。「ボッチダイスをたくさん振らせちゃえ」とか「キャラの人格特性に"自信過剰"と書かせろ」とか。
 でも、過去にリアル(現実世界)で一度自信点を 0 まで喪ったことのある身、そしてそこから長い期間を経て2なり3なりまで戻してきた身からすると、健全な自信というものがどれだけ人の力になることか、全部の判定に入れたって決して使いすぎじゃない、そんな風に思うんですがね。むぅ。

12/29

 年内最後のコンサートは満員御礼、しかもそれなりに満足のいく演奏ができて、これなら心安らかに年を越せそうです。師匠に「だんだん私に似てきたね」と言ってもらえたのも嬉しかったっす。そうやって気が緩んでいたら、うっかりこっちの更新が遅れてしまいました。いかんいかん。

 そういや、みなさんご存知ですかね。WGRE の p.164 にスバラシイ呪文があるんですよ(WGREってのはサプリメントの"Wizard's Grimoire revised edition"のことね)。その名は“焔の双眼/Eyes of Flames”。R:目の必殺呪文といったらコレです、コレ。見つめ合ったら目からビィィィィムッ! (あの“奈落の炎球/Ball of Abyssmal Flame”と同じ Creo-Ignem 35 というところがさらに笑える^^;)

1/2

 felix sit annus novus.
 腐ってもアルス・マギカのファンサイトなんで、ラテン語であけおめです。ハッピーニューイヤー! 謹賀新年! ボンアネ! いや、めでたいめでたい。マギたちの白羊暦(Annus Arietis)だと、新年は春分なんですけどね。

 年始の更新はシナリオです。手の内を明かすみたいなところがあって、ずっと後回しにしてきたんですが、正式公開から半年経つのに一本も掲載されないってのはマズイだろ、と。仕方がないんで、三年前の赤っ恥を生贄に捧げます^^;

1/11

 今年の初夢は最悪でした。大事な大事な愛器が火事で焼ける夢。動産保険をかけてはあるんですが、やはり心臓に悪いです。しっかしなんでまたこんな…(元旦に某所でひいたウィッチタローは猫の正位置だったし、「なかきよ」の宝船も浮かべたのに〜)。

1/18

 「ラテン語名句」のコーナーの隅っこで出した「エリュオゥリェ」という言葉、いったいなんじゃいとお尋ねがありました。これは、神月摩由璃の小説の隠し味になっている、創作言語の一単語です。当初は、分かる人だけ分かればいいや、と思っていたんですが、一応ここで作中から少しだけ引用しておきます。

「……エリュオゥリェという称号は"未だ道を極めるに至らざる者"というほどの意味合いで、真理と魔道の探究に生涯をかけた者たちが、ある時には多少の自負をひそめた謙遜として、またある時には幾らかの自嘲を込めて用いるのが流行ったのでした……」

 それと、今回の更新は老化ルールでしたが、またもタイムリーなことにメーリングリストが数日前からこの話題で盛り上がってました。当サイトは基本的に二ヶ月単位の溜め書きです(今現在もそうですが演奏活動中は安定して記事を書いている余裕なんぞ無いのです(>_<))ので、別にそちらに合わせているわけでもないのですが、なんかダブりますねぇ。みんな考えることは同じってことでしょうか。

1/25

 先ほど姉弟子の演奏会にて、大いなる刺激を受けてきました。ビートルズからユーミンまで、本来ピアノ向けに作曲されたポピュラーナンバーをチェンバロで弾いていて、なおかつそれがちゃんと"音楽"になっているのです! 楽器のもつサウンドの特性が全然違うので、相当な難事のはずなんですが…。よくぞここまでと感心しきり。今までこの手のリクエストには、曲と楽器の相性が悪いからとなるべく勘弁してもらってきたのですが、自分でもやってみたくなりました。

 ここ数日はちょうど、先週カラオケではせがわ女史が熱唱していた樹原涼子『花』がマイブームだったので、ざっと譜面に起こしてみたり。普段17世紀の音世界で暮らしていて、それ以外の音楽には滅多に触れないものですから、たまにカラオケに連れていかれたりすると、非常にエキサイティングです。もちろん歌える曲などないのですが、聴いているだけで全然退屈しません。

2/1

 ラテン語名句のバックナンバーを、フォッソルの三人娘に読ませてみましょう。

  • ボニサグス派の落ちこぼれ リノア
  • ビョルネール派の猫娘 ラサ
  • クリーアモン派の霊感少女 メーヤ

 …ああ、石投げないで! (Osakanizer電波ニュースによる文章自動変換でした^^;)

まだ食い足りない人へ:プレイレポートの電波ニュース変換 4話 12話

2/8

 殿下(カタギの共演者)にこのページがバレたらしい。どうしよう。

 しばらくオーバーワークが続きます。向こう三ヶ月のあいだに(全部別々なプログラムで)本番八つとは、ソレガシ未熟者ゆえ、こなしきれるかかなり不安。本来もっとも大切なはずの、上達のための訓練をする時間も全然なくなっちゃってますし。安易なスケジューリングをした自分を恨みます。
 だいたい、演奏会って本質的に先物取引なんですよね。練習も始めないうちに宣伝打つんですから。くわばらくわばら。

2/15

 友人のそのまた友人の合唱団を聴きに行ったら、アカペラの黒人霊歌で思わずドキリ。『エリコの戦い』なんて、広がる響きにゾクッときました。

 木霊す声でカラオケの話題が出てましたが、そういうところ、声楽の連中は愉快ですよ。飲み屋に入ると、もう歌うこと歌うこと。彼らはカラオケの機械なんていらんのです。自前で合唱するから。
 いつでもどこでも演奏できるのは羨ましいかぎりです。チェンバロは、ピアノと違って担げるとはいっても、所詮は「梱包」「運搬」という次元のこと。身一つで動ける歌のようにはいきません。もっとも彼らは彼らで、外部デバイスでない分、体調管理がシビアなようですが…。

2/22

 今日は市の文化会館の依頼で、カジュアルなロビーコンサート。選曲にフリーハンドもらえたのをいいことに、いろいろ悪戯してきました。グノーのアヴェ・マリアを弾きながらいつの間にやらシューベルトのアヴェ・マリアに遷移させたり、「二十人の作曲家による"ラ・フォリア"スペシャルメドレー」なんぞとぶち上げたり。即興交えつつ好き放題のジャムセッションです。さいわいノリのいいお客さんたちでしたので、某所のマリみてSSみたいな目には遭わずに盛り上がりました(^_-)

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