「超常」分類の欠点(大)
《老化が速い/Age Quickly》
内容:
通常の倍の早さで年をとります。
第四版からの変化:
コストが−5から−3相当へ値下がり。また4版では、この欠点で年2回となった老化判定には、それぞれ別個の長寿薬が必要な旨の付記がありましたが、5版ではそれが消えていますから、長寿儀式一つでまとめて面倒を見られる模様。
コメント:
トップバッターは見るからに超常なもので、悲惨な内容です。個人や一族に対する短命の呪いか、それともPerdoに身を浸しすぎたり、実験に失敗したりした結果か。解消する道を探求するにせよ、苦悶して《憂鬱》になるにせよ、定めと受け容れるにせよ、ともかく本人の人格形成に大きな影響を与えずにはいないでしょう。
《延命儀式が困難/Difficult
Longevity Ritual》と同じく、ゲームシステム的には、死ぬまでに使える季節数(=成長などの行動回数)を大きく減少させる機能となります。その上、老化判定の失敗は特性値の低下も引き起こしますから、そうした付帯効果も考えると、同じ方向の《貧乏/Poor》や《延命儀式が困難/Difficult
Longevity Ritual》より重い感じでしょうか。一応、特性値低下は《不老/Unaging》で打ち消せます。
あとたしか、通ずるものとして、"RoP:Infernal"に悪魔の血が混じった人間のルールがあったと思うのですが、あれもたしか老化速度が二倍だったような(《不老》兼備ですが)。
《呪い(大)/Greater Malediction》
内容:
呪いをかけられています。呪いの重さは、他の大の欠点と釣り合う程度。
第四版からの変化:
コストが−1から−4の可変型でしたが、−3相当に固定になりました。
コメント:
本文にもあるように欠点一般について原因として呪いは考えられるわけで、にもかかわらずこうして別個に《呪い》が存在するのは、他の欠点で記述できない内容の呪いを受け容れる、一種のワイルドカード的な目的と捉えるのが妥当でしょう。ざっと思いつくような例を挙げてみます。
ペナルティの重さについては、他の欠点以外にも、悪名高きウェルディーティウス派マギ"狂人"ヒミニスの編み出したカースドアイテムの技("HoH:Mystery
cults"所収)が参考になります。効果レベルや呪払時の扱いとともに、例も記載されていますので、機会がありましたらご参照を。
また、呪いは単純な行動制限でももちろんかまいませんが、せっかくですから一凝りしたいところ。由来を設定したり解除キーをつけたり、予言を入れたりすると、物語の種になってオススメです。なお、「○○を破ったら××」というギアスは、小の性格欠点《禁令/Prohibition》でどうぞ。
《獣人/Lycanthrope》
内容:
月に一度、危険な肉食獣に変身してしまいます。変身中はほとんどの点でその動物になりきってしまい、記憶も残りません。
第四版からの変化:
コストが−2から−3相当へ値上がり。変身の看破が"InIm25"から"InAnまたはInCo"という記述に変わりました。レベルなんてものは様々なパラメータでも上下しますから、呪文ルールから導き出す方に任せるのが筋ですし、術法の観点でもこちらの方が妥当だと思います。
コメント:
変身先としては、サイズの大きな熊あたりが暴れられて強そうですが、ポピュラーなのはやっぱり狼ですかねえ。
自律/他律を問わずこうした変身にまつわるルールについては、"HoH:Mystery
Cults"のビョルネール派の章に詳しくまとめられています。動物一般についての作成ルールもあるので、この辺のキャラを使うなら是非ご参照を。また、もしそちらのサプリが手元に無いようでしたら、無料配布の"Book
of Mundane Beasts"がお手軽です。
キャラクターの造型にあたっては、本人が自覚しているかいないかが第一のポイント。
自覚している方なら、この呪いから解放されるために、探求の果てに変身術の老師(ビョルネール派マギ)の許を訪れた、というのが王道でしょうか。石もて追われる(or追われかねない)《追放者/Outcast》な悲哀、《暗い秘密/Dark
Secret》で他人に心を許せない等々、悲劇っぽい若者が似合いそうです。
自覚していないなら…そして自覚していない場合は多いとは思われますが…一見平凡ながら、不思議な獣の影が人生につきまとう感じ。キャラクターの両親を手にかけた悪辣な領主が、次の満月の晩に白狼に噛み殺されたとか。なんとなく守護者みたいに思っているかもしれません。 あとこれはもう時効でしょうから言ってしまいますが、4版のとあるシナリオの脇筋では、領主が出没する獣を追って討伐隊を出していたら、獣の正体は彼本人だった、というオチもあったり。
第二のポイントは、獣人となった原因ですね。普通に魔法界や妖精界からの呪いや贈り物でもいいですし、ひねったところでは、一族代々の血とか、獣人を斃したら斃した者が次の獣人となる定めとか。空白にしておいてSGに委ねるのも良い手です。
設定的に相性のいい美点欠点としては《正の周期魔術/Cyclic
Magic (positive)》とか。また、独立したキャラクターとしての組み立てとは別に、周囲のPLと示し合わせて、ビョルネール派マギや《変身/Shapeshifter》《姿変えの衣/Skinchanger》なコンパニオンで卓を囲むのも、いろいろ面白いかもしれませんね。
[戻る]
|