「超常」分類の美点(大)

《催眠/Entrancement》

内容:

 相手の人間と目をあわせ、言葉に出して命ずると、言うことをきかせることができます。

第四版からの変化:

 コストが+4から+3に微減。また、プレイの現場に沿って、発動条件などが具体的に書かれました。

コメント:

 いわゆる魔眼の持ち主。事実上、R:視線の Rego Mentem と捉えてしまってよいと思います。 ただし厄介なことに、魔法抵抗を抜いた後さらに、自然抵抗ふうの対抗判定があります。破るにはかなり高い数値が必要(特に《意思堅固/Strong-Willed》持ちは仇敵)ですから、【魅力】と〈催眠〉は極力高くしておきましょう。そこさえクリアできれば、大変有用な効果です。

 以前キャラクターのアイディアの項にも書きましたが、この能力に慣れきってしまったキャラクターは、内心ではかえって孤独に苛まれているかもしれませんね。付き添ってくれる《まことの愛/True Love》や《真の友/True Friend》に、「私の目を見るな!」とか言ってると萌え。

《耐性(大)/Greater Immunity》

内容:

 特定の脅威(例:鉄の武器・火)にかぎっては、一切の害を受けません。

第四版からの変化:

 内容は変化ありません。四版ではこの美点は三つの観点を合計してコストを算出する方式でしたが、Greater/Lesserの二段階に簡略化されました。実際、分類はこれで充分だと思います。
 Greaterと同じ効果をもたせようとして計算すると、四版では+5〜+6となります。それが+3ですから、コストはほぼ半減と考えていいでしょう。

コメント:

 問答無用で無効化という強面ぶりです。とにかく何を対象にとるかがポイント。たとえば熱でとれば、火口のマグマの中に住んだりできそうですしねぇ。寒さにして雪の女王気取ったり、呼吸にして竜宮城やったりもステキ。あとこれは半分冗談ですが、マッドサイエンティストな方々は「研究室の爆発」を対象にしてコレ取ったらどうですかね。私がSGなら許可するぞ(笑)

 また、この美点はある意味、《死の予言/Death Prophecy》の裏返しともいえます。その辺からアプローチすると、伝説や予言などを通じて、綺麗な物語がつくれそうな予感。こういうのって、さんざん叩いて全然効かなかったのが、弱点をつついて一発逆転、というパターンがありますから。「何度やろうが無駄だ、儂に刃は効かぬわ」「ならば棍棒ならどうだ?」とかそんな感じで。

《清めの手(大)/Greater Purifying Touch》

内容:

 触れて疲労度を一つ消費することで、特定の死病を癒すことができます。病気だけで、負傷などは不可。

第四版からの変化:

 《耐性/Immunity》と同じく二段階に省かれただけで、ほぼ変化なし。

コメント:

 たしか年代的にまだペストは来ていなかったと思いますが、それでも天然痘とか、死に至る病気はいろいろあったはずです。とにかく医療水準は低いですし、こんなことすれば聖人の奇蹟と崇められそうですね。実際、神聖界を源としてもまったく不自然ありません。病気を癒すということ自体は、ゲーム的にはたぶんあまり有用でない効果でしょうが、それに付随する人望なども考えると、コスト相応に役立ってくれると思います。

 病気のルールはp.180にて。いまいち処理のタイミングとか釈然としないんですが、まぁそれは現場でトループ全体に諮りながら臨機応変にやればよろしいかと。

《変身/Shapeshifter》

内容:

 1ラウンド集中すると、世俗の動物に変身できます。変身できる種類の数は、対応する能力の値と同じ。

第四版からの変化:

 新規参入組。内蔵型《姿変えの衣/Skinchanger》とでもいいましょうか。

コメント:

 かなり意志的な内容なので、魔術団外の俗魔術師がとるケースが大半でしょう。雑集派の変身術師の系譜とするパターンもありますが、InVi的にかなりレア(たぶんそちらは、自己変身を対象とした《魔術の専門分野》をとって、MuCo(An)呪文でやる方向でしょう)。

 ビョルネール派の《心獣/Heartbeast》との一番の違いは、《心獣》が自らの本性である一種類の獣に特化するのに対して、《変身》は広いレパートリーを取りそろえることでしょう。《変身》をとるキャラクターがいるならば、誰か他のPLがビョルネール派のマギをやると、引き立て合って面白そうです。

 ちなみに、満月の狼男とかそちらライカンスロープ系がやりたい方は、欠点の《獣人/Lycanthrope》の方へどうぞ。

《濃い妖精の血/Strong Faerie Blood》

内容:

 読んで字のごとく、妖精の血が濃くまざっています。《妖精の血/Faerie Blood》の上位版で、その内容に加えてさらなる長寿や妖精の目など。

第四版からの変化:

 "Faeries"出典です。おまけがいくつかついた上、鉄への脆弱性が消えました。コスト据え置き。

コメント:

 人間と妖精のカップルに生まれた子供とか、隔世遺伝の先祖返りとか、取り替え子とか。この手の題材で良質の物語が数々作られていますから、その辺りをねらうのが王道でしょう。性能的にも優秀で、特に抗老化作用には特筆すべきものがあります。《神秘の血脈/Mythic Blood》の妖精版といった感じでかなり人気が出そう。

 最大の難点はマギが取りづらいこと。他の超常の美点なら、ヘルメス魔術を仕込むにあたって保持まではできなくとも、あきらめて消してしまって一から修業させることができるのですが、《濃い妖精の血》はなにせ生まれもった血ですから、消すこともできないんですな。しかも大。となると、これをもったマギを育てたのは、InViの研究値が少なくとも60はある師匠ということになります。設定がかなり拘束されるので注意。一方で、このことを逆手にとって、《落伍した徒弟/Failed Apprentice》なコンパニオンにするのも面白そう。

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