サガ"フォッソル" 第21話不死身の心臓ソーン (テュータルス派マギ) アグリッパ (ウェルディーティウス派マギ) ドン・セベリノ (猪武者) ロダン神父 (近隣教区を預かる老司祭) ※例によって簡易レポートです。ただ、アルス・マギカに不慣れな方向けの補記を少しだけ盛り込みました。季節行動第20話の後、リアルで一年近くが経ってしまいました。ミケラントスのPLが就職活動で当面参加できなくなった影響で、ヴィラールの方の筋書きはひとまずお休み。舞台はまたプロヴァンスに戻ります。 さて、アルス・マギカでは、季節単位で時間が流れます。1季節ごとに各々行動を決め、成長していくのです(そのかわりミッション達成等では経験値を得られません)。読書や訓練で経験値を得たり、オリジナルの呪文を開発したり、魔術物品を作成したりetc...。自分なりの将来計画と相まって、この季節行動がすごく楽しい。 前回のセッションからゲーム内時間で1年(4季節)流れたことにしました。ドン・セベリノは剣術師範として用心棒のグロッグたちに稽古を付けて過ごします。またこれまでの功績を認めてか、チェインメイルとラウンドシールドを買い与えてもらいました。今まで革鎧以外は剣一本で頑張っていた彼、たしかに人外魔境な技量で「当たらなければどうということはない」のですが、ひとたび当たった時に簡単に落ちそうでしたので…。 マギたちはというと、ソーンは所蔵の魔術書を読んで Intellego(ワレ識ル)と Vim(魔力ヲ)の値を大きく成長させました。この二つの術法依存で判定する、魔術物品の調査に備えたものです。今後この手の仕事は「おれにまかせろ」かも。 フォッソル全体の金銭収支は、「金の卵を産む鶏」が平年より5%増しに働いてくれて、31ポンドの黒字。もっとも、アグリッパが自動人形を作り始めると、100ポンド以上もの費用がかかってしまいますから、そうそう左団扇というわけでもありません。 ウィース(魔力の結晶)に関しては、これまでのセッションで様々なウィース源を開拓してきているおかげで、収穫量は申し分ありません。問題は種類が偏っていることです。だぶついている Terram(大地ヲ)のウィースは今回、アグリッパが〈魔術団知識〉で判定したらダイスが回りました。そのためレバント管区の紛争地で、Terram に欠乏しているコヴナントに心当たりがあり、2:1(通常の倍相場)で Intellego(ワレ識ル)のウィースに交換してきました。余っている分は赤帽銀行に預け入れ。 発端今回のシナリオの発端は、満身創痍の騎士が、無気味に脈打つ黒い塊を谷に持ち込んだところから。「悪魔崇拝者どもが邪な儀式に使おうとしていた品だ。奴らの手に渡さないでくれ。破壊したいが、剣も火も効かなかった」といいます。マギたちはかねてから地獄の結社と抗争中でしたから、まあそれならと引き受けました。この谷は結界(ReVi20"炉辺の守り")を張ってあるから、連中はおいそれと入ってこれないしね。 騎士はソーンの Creo Corpus(ワレ創ル/人体ヲ)魔法で一命を取り留めました。詳しい話を聞くと、彼はドン・セベリノと同じく、アルビジョワ十字軍に滅ぼされたカドネ城の落ち武者とのこと。十字軍の指導者ながら実は悪魔崇拝に堕している教皇特使アルノー・アマルリックを襲撃し、この塊だけをなんとか奪ってきたそうです。 谷の入口に見張りを立てた上で、1季節かけて魔術物品扱いで鑑定したところ、これは実力値50の大悪魔の心臓でした(実力値は悪魔のHP兼MPみたいなもの)。しかも不死身の魔力が働いていて、普通の魔法では効かない。さらに、黒い汗(地獄界のウィース)を毎季節かきつつ、放っておくと付近一帯を徐々に地獄オーラに汚染していく! おまけに、豪華な輿に乗った目つきの悪いでぶの男が、アルノーの使節を名乗って谷の入口に現れ、こう呼びかけていきました。「異端の騎士崩れが、我らの聖なる宝物を奪った。この谷に逃げこんだことは分かっている。直ちに引き渡されればよし、さもなくば再戦と心得よ」。 研究はじめこれらを受けて、マギたちは破壊の方法を早急に研究しはじめました。 振り切れた値の〈魔術理論〉を誇るアグリッパ博士は、HoH:TL所収の基礎研究ルールを使って、破壊方法の鍵を探ります。試作品(ここでは実力値を減殺するワンド)をいくつも実験でつくり、特殊結果表で「発見」の出目を振ったら発見に至るポイントが溜まる、というもの。 一方ソーンは、ドン・セベリノを護衛に連れて、手掛かりになりそうな書物や品物を入手しに歩きます。最初に向かったのは、悪魔を改心させたという伝説のある聖人の泉。行ってみたら聖人(の幻影?)が現れて、「岩をも動かす信仰心がなければ汲むことまかりならん」と言われたので、老骨鞭打ってロダン神父に来てもらいました。 しかし泉の水を手に入れていざ帰ろうとしたとき、例の輿に乗ったでぶ(仮称)に率いられた、悪魔崇拝者の手勢に襲撃を受けます。連中もこの泉を見張っていた模様。ロダン神父の応援(「聖なる影響力」で神聖オーラ内の特定の判定に修正を加える)の下、ドン・セベリノが時代劇ばりに6対1のチャンバラで踏ん張りますが、手傷を負って押されぎみ。ソーンの呪文も抵抗されてしまいます。 研究おわり残り10点の発見値を独力でやろうとするとまた一年かかってしまいそうなので、二人はさらに他人の褌を借りることにしました。 まず、ソーンの師匠と同じコヴナント"カウェルナ"に属すフランボー派のアルドルが、地獄界の魔力(特にドーピング)を炎に変換することで自滅させる Muto Vim(ワレ変ズ/魔力ヲ)呪文を開発していたと聞いて、その呪文書を借りに行きます。 赤帽士のファレルに頼んで、話の出たフローリアのところに行ってもらうと、こちらも手掛かりになる書巻を貸してくれました。しかし、帰路に近道しようとして通った「紅葉の森」で妖精に盗まれてしまいます。代わりに入っていたのは紅葉一枚。 終幕この1234年秋、ついにアグリッパは心臓を破壊するための特製のワンドを呪付しました。相手の魔法抵抗は依然として強力であり、それを破るために力量の大半を割かねばならず苦戦しましたが、発動回数を1日1回のみにすること、1回あたりの実力値減少をわずか2点に抑えること、そして発動できる期間を初回起動から7年以内に限定すること、この三つの設計の工夫でどうにか完成させることができました。充填品として2季節かけて量産するより、期間限定の簡易呪付物とする方がリーズナブル、という面白いケースです。 アグリッパがこの切り札を制作中に、十字軍に偽装した悪魔崇拝者の軍勢が谷の入口を封鎖し、兵糧攻めを仕掛けてきたのですが(さすがに結界内に入る勇気はなかったらしい)、ソーンがかねて入手の魔術物品"雪の宝珠"の Creo Auram(ワレ創ル/大気ヲ)で雪雲を呼び起こして深い雪を降らし、敵軍の布陣や兵糧調達を逆に妨げることで、うまく撤退に追い込みます。 完成したアグリッパのワンドで一日一回心臓を叩くこと25日目、ついに実力値が0になって心臓は塵と化しました。残骸の塵からウィースを回収できたおまけつきです。これにて目標達成! [戻る] |