段取り八分の仕事二分case-1プレイ:2004/07/11 キャラクター(作成済みキャラ集より選択) ジョカス (ボニサグス派B) ファビウス (フランボー派B) エイボン (メルケーレ派B) ルシウス (メリニータ派B) 作戦会議ターゲットであるドラゴンのデータを配って、さてプレイ開始。 このままブレスなどを食らったらパルマや様式の値が全然足らないし、こちらから魔法をかけようにも敵の抵抗を抜くのは容易ではない、この事実を認識したPLたちは、なんとか戦わずに済ませられないかと考え始めた。ブレインストーミングとしてさまざまな案が飛び交う。いつのまにやらジョカスのPLが部屋のホワイトボードを持ち出して書き付けていたり。 そうして出た結論は二つ。 ■引っ越し案龍と交渉するなどして、コルシカからどこか別の場所に移ってもらう。 魔法オーラがあるためにコルシカに居ついたのだから、転居先も魔法オーラのある場所を選びたい。 なお、交渉にあたっては、呪文などで龍の判断能力を一瞬奪い、その瞬間に誓わせるなりする方法を用意。龍の人格特性「謎好き+3」につけこむ余地もある。 ■縮小案回数は限られるが、ウィースで増幅すれば抵抗は抜ける。MuAnによってサイズを小さくすれば、龍の脅威は攻防ともにずっと小さくなる。うまくすれば、降伏させて手下にすることもできるかもしれない。縮小に成功するまでの防御は、主にルシウスの幻術で対応。また、ピレネーの件をはじめ、過去の退治事例を調べれば、弱点や手段などいろいろ参考になりそう。 とりあえずこの二案を並行して進めながら情報を集めて、様子をみることになった。 仕込みさて一年目(1223年)である。 ■春縮小案のキモになる呪文は以下のとおり。 “針の大きさの獣” これを担当するのは我らが秀才ジョカスだが、いかな【知性】+5と〈魔術理論〉8を誇る彼でも、現在の研究値は29。これを一から編みだそうとしたら、25÷(29-25)=7季節かかってしまう。しかし、MutoもAnimalもそう高くない(5点)彼の場合、まずそれらを伸ばせば研究値が上昇し、開発期間が短くなる。そのため、まずはコヴナントの紀要書を読んでMutoを上げた。 隠蔽の呪文を担当するルシウスも、事情は大して変わらない。PeIm25の呪文を編み出す予定なのだが、Imaginemに一点集中で振ってある彼の場合、Perdoは不釣り合いに低く、そちらの方が格段に伸ばしやすい(成長に必要な経験点は、値が高くなるほどたくさん必要になる)。ということで、同じく蔵書からPerdoを学習した。 エイボンは、万が一のとき逃げ出すための足止めにと、龍を混乱させる呪文を開発。人間相手に同様の効果をもつReMe15“麻痺した意思の混乱”が定式呪文のレパートリーにあったので、それを元にしてAnimal版を作ろうというのだ。こういうのはルール的に「類似呪文」扱いになって、研究値にボーナスがもらえるのでお得である。夏に完成予定。 さて、この季節の目玉はファビウスである。 抜け目のないファビウスは、メルケーレ派のエイボンに頼んで、知り合いの女性の赤帽士に紹介状を書いてもらっていた。そして持ち前の美貌(と《ヴィーナスの祝福》)で籠絡。"マイ・スイート・ハニー"は親身になって資料を漁り、コルシカ島の詳細な地図と、10年前(龍が飛来したとき)の記録を探し出してくれた。 「本気じゃないから、遊びだから」というファビウスは、(ひどいことに)この"マイ・スイート・ハニー"に、プロヴァンス管区の女性の赤帽士へ宛てた紹介状を書かせている。惚れた弱みとはいえ、下手すると刺されますぜ。 ■夏エイボンは春から続けていた混乱呪文の開発が、この季節いっぱいをもって完了。定式呪文のレパートリーに加わる。 入れ替わりにルシウスが呪文開発にとりかかる。すでにレパートリーにあるPeIm10“不可視のヴェール”が類似呪文にあたるので、最初から研究値は37もあったのだが、惜しいことに25÷(37-25)=ぎりぎり3季節かかってしまう。ところが春にPerdoを2点伸ばしておいたので、夏には研究値が39になり、25÷(39-25)=2季節で開発できるようになった。秋に完成予定。 ジョカスはさらに下準備を重ねる。コヴナントの蔵書にあったMuAn15“尋常ならざる大きさの獣”を修得したのだ。これはサイズを2点しか下げられない他は、研究予定の呪文と同様の効果をもっており、類似呪文として「踏み台」にするのを狙っている。 出先のファビウスは、春に分かった事柄を赤帽士に託してコヴナントに報告しつつ、自らは隣のプロヴァンス管区まで足を伸ばした。目指すはフランボー派の宗主座であるドイセテップ。龍のいたピレネーはプロヴァンス管区の管轄であり、そこの龍対策となればドイセテップのマギたちが絡んでいる公算が高いと考えたためだ。"マイ・スイート・ハニー"が紹介してくれた赤帽士は、うまいことに現筆頭テルティウスに顔がきく人物で(ダイスが1-1-5の20なんだもんな)、甘いマスクのファビウスの言うままに引き合わせてくれた。 ■秋ルシウスの呪文が完成。これをかけてあれば龍に見つかることはありえない。 “不可視のヴェール ver.3” 「なぜに味覚まで? 味見されたらその時点でもうダメでしょ?」などと言うなかれ。秘薬を利用した毒まんじゅう作戦の可能性もにらんでいるのだ。どのみち龍の鼻を逃れるためには20レベル超が必要なのだから、行きがけの駄賃である。 ジョカスはさらにさらに下準備。春と同じく蔵書を読んで、今度はAnimalを上げている。どうせ数点の上乗せなのだから、思い切って実験することにしてしまえばこんな下積みはいらないのだが、余計な副作用がついたりする可能性を嫌ったらしい。 ファビウスはドイセテップからバルセロナ経由で南下し、龍の古巣のピレネー山麓へ向かう。旅鴉の血が疼いたか、エイボンもコヴナントを出発し、船便でバルセロナへ到着。ファビウスと合流すると、付近で龍の情報収集にあたった。 ■冬ついにジョカスが呪文の開発に着手。一年がかりで、完成は翌年秋の見込み。 ルシウスは何か思うところあってか、ふたたび蔵書からPerdoの学習。 エイボンは同地に留まり、龍との謎かけのネタをくれる賢人や学者を捜してみた。しかし、なにぶん馴染みのない土地だけに(《旅慣れている》の適用外)難航し、思うような成果は上がらなかった。 ファビウスはエイボンと別れて単身ローマ管区へ帰還。ハルコーに"マイ・スイート・ハニー"を訪ねて、過去に行われた龍退治の記録を片っ端から洗い、方法論を調べていった。PeAn(He)30“狩人は放つ死を招く矢”による狙撃、誘導呪物を通した超遠距離からの儀式呪文など、いろいろな例があるようだ。そもそも実力値40などまだ甘っちょろい方で、60、70に達する個体もあり、そのため周辺環境への作用という形をとって、間接的に魔法抵抗を回避したケースも見られた。 詰め二年目(1224年)。迷走気味だが、徐々に形になってきた。 ■春ジョカスは研究室に引きこもり生活。PLの仕事とニアーで笑えない。早く出来上がるといいね。 ルシウスは読書を続けながら、暇をみて(1季節に10日まではペナルティ無しで自由になる)コヴナント入口にフレスコ画を描き始める。テーマはファビウスが聞きつけてきた、フランボー派の龍退治。自分たちのが成功したら、連作にして並べるんだとか。 ファビウスはハルコーで調査継続。半年も一緒にいられて彼女はさぞ嬉しかったでしょう。 バルセロナ逗留も半年になるエイボンは、昔取った杵柄で付近の傭兵たちへコンタクトをとってみた。ドラゴンと戦った様子を聞いたのだが、残念ながら大して得るものはなかった。吠え声一つで隊は離散、投石機もブレスの一吹きでオシャカとなれば、まったく勝負にならなかったようだ。 ■夏ファビウスは一年ぶりにコヴナントへ帰還。いろいろ無知ぶりを知ったとかで、蔵書を読んで、〈組織知識(教団)〉の勉強をはじめる。 ファビウスが戻り、自分の弟子を助手に回してくれたので、ジョカスは予定を繰り上げてこの季節に呪文を完成させることができた。持つべきものは良き朋かな。でもまだジョカスには次なる仕事が待っているのだ。毒まんじゅう造り。 ルシウスは龍の立ち退き場所を打診しようと、北アフリカにある旧知のコヴナント"サンサロン"訪問を思い立った。翌月訪問の手紙を赤帽士に託すと、玄関の壁画を一気に仕上げ、旅の支度に余念がない。 エイボンは一足先に、前線基地にする予定のコヴナント"ウェルディ"を下見に行った。ウェルディーティウス派宗主座であり、魔術工芸のメッカであるこのコヴナントは、うまいことに(?)コルシカ島直下のサルディニア島に位置しているのだ。北岸に立てば、コルシカ島は目と鼻の先である。 ■秋ジョカスはまたまた下準備。蔵書でRegoを伸ばした。 エイボンはウェルディとウィース交易に当たる。どのあたりが相場なのかそれとなくアタリをつけようとしたのだが、(どうにも出目が悪く)あまりいい率ではまとめられなかった。 ルシウスとファビウスは、連れだってサンサロンへ向かう。赤帽士を通してアポ取りしてあったし、なによりルシウスはここの面々とは顔見知りだったから、暖かい歓迎の宴まで開いてくれた。外はシロッコが吹きつけていても、CrAq(Re)の水膜とPeIgの冷房が入ったコヴナント内は快適そのものだ。 諦めた二人は、コヴナントの蔵書を見せてもらうことにした。古代カルタゴの遺失魔法を研究しているというこのコヴナントだが、まだ目立った成果は上がっていない。ただ、こうした未開の暑い環境にあるためか、今回の龍退治に使えそうな呪文もいくつか見受けられた。 サンサロンのグロッグを借りて雄図出かけたファビウス。ライオンの群れを見つけた彼は、リーダーを潰せばどうということはあるまいと、PeAnをかけようとしたのだが…ボッチ! たてがみをちりちりにされて怒り狂ったライオンに追い回され、這々の体でサンサロンに逃げ帰る羽目になった。グロッグの何人かはあわれ喰われてしまったらしい。 ■冬ジョカスは龍の判断力を奪うReAnの秘薬作りに着手。ファビウスが残していった弟子の手を借り、ウィースも7ポーン注ぎこんで気合い入れたので、レベル66の秘薬が2服出来上がった。これなら龍もイチコロだろう。あとはどうやって飲ませるかだが、これはジョカスの領分ではない。エイボンがうまくやってくれるはずだ。 ウェルディに逗留するエイボンは、彼らの魔術工芸の腕に目をつけ、ブレスを完璧にシャットアウトする鎧を作ってもらうには、どのくらいの値(ここではウィース)を払えばよいのかと相談していた。しかし高位のウェルディーティウス派マギを数季節拘束するのは高くつき、材料費込みで70ポーンと言われては、さすがに払いきれる値段ではない。 ルシウスとファビウスの二人はサンサロンを離れ、シチリアに残る、イタリア最後の妖精の宮廷を目指す。 だめ押し これが最後の三年目(1225年)。誰も作戦の全体像を把握していないのになぜか進んでいく。 ■春サンサロンのマギたちと交渉の上、ファビウスが中心になって、PeAn(He)30“狩人は放つ死を招く矢”を秘薬として作成することに。ファビウス自身が修得/詠唱するよりも、一度に多数発射できる点を狙った。 手紙で呼び出されたジョカスは、こちらも然るべき謝礼を払ってサンサロンの呪文書を見せてもらい、PeIg15“魔術師の冷たき手”を修得。冷気に弱い火龍の弱点を衝いた手法で、一旦抵抗を抜きさえすれば、毎ラウンド1段階ずつ耐久度を着実に奪っていく呪文になる。 ルシウスはサンサロンとウィース交易にあたり、決戦時に大量の消費が予定されている種類を補充していく。 コヴナントに戻ったエイボンは、手紙をみて弓兵の調達に回った。昔のつてをたどってあちこち回ってみるが、なにぶんコトがコトだけに、なかなか人が集まらない。めげずに頑張る。 ■夏夏の終わりまでかかって、エイボンはようやく三人の射手を手に入れた。それぞれ達人とはいかないまでも、それなりの腕前をもち、びびっても龍の巨体を外すことはあるまいと思われた。 ルシウスとジョカスはコヴナントへ帰還。以後冬まで図書館にこもり、来るべき決戦で必要になる術法(Ignem、Mutoなど)を磨いていく。 ファビウスは"マイ・スイート・ハニー"と最後の逢瀬…ではなくて、ハルコーの記録から龍の好物について調べていった。やはりまずは光り物。二重底の宝石箱で騙くらかしたケースもあったようだ。それに肉。幼い子供の柔らかいのなどは特にお気に入りらしい。 ■秋〜冬エイボンはファビウスの情報を受け、CrCo(Re)で容器内にかりそめの子供を育んだ。このぷっくらした可愛い(いかにもおいしそうな)子供は、心も魂も持たないし、容器の外に生まれたら一日で崩れてしまうが、エイボンの指示通りに動くはずだ。 あとはひたすら、最後の追い込みとばかりに術法の研究に励む日々が続いた。 退治三年間の成果を整理した一行は、次のような段取りで向かった。
さて、上陸した一行は、エイボンの動かす子供を目印に、その周辺に散開して進んでいった。 やがて、匂いにひかれた龍が悠然と翼をうちながら飛んできた。龍は単身で宝石箱を掲げる子供に、さすがに不審を抱いた様子で、鼻をうごめかせて念入りに周囲の匂いを確認したが、おいしい子供の匂いしか嗅ぎ取れなかった(ルシウスの“不可視のヴェール ver.3”は、龍の鼻の感度を超えているのだ)。 安心した龍はゆっくりと降下し、長い舌でぺろりとなめ回し、(エイボンの演じさせている)子供のおびえきった様子を楽しんだ。 そこへ見えない矢が三本。いずれも的を外さずに龍に突き刺さる。ただの矢なら蚊の刺したくらいにしかならなかったろう。けれども、これには教団で長らく幻獣退治に使われてきた必殺の魔法がかかっていた。有り余る【体力】で即死判定こそ成功したものの、いずれも手傷を負った。 次にファビウスの即興魔法。PeTeで腹巻きの留め具を壊し、ガランと落ちて龍の腹は丸裸に。 ルシウスが降伏を呼びかけたが、龍は自分に何が起こったのか、まだほとんど飲み込めていなかったに違いない。応とも否とも返ってこなかった。 … …… ……… なんだか一年目当初の計画とは全然違うような気がしますが、気のせいです。ええ。 [戻る] |