楽士の呟き

2007年夏〜秋

6/11

 いつも遊んでいる地元のサークルフォッソルのサガもここね)は、数えてみればもう十年来の仲間になるのですが、男性4名・女性3名の小所帯の中に夫婦が二組(=四人)おり、近年はその二組が二組とも子育てにかかってきたものですから、月一回の例会に集まるのもそう簡単ではなくなってきていました。そこへこの春、東京に転勤するメンバーが1人出て、ますます卓割れの危険が高まるピンチに。
 そこで相談して、欠員補充のために募集や人づてで動き出したところ……全部で3人の方がそれぞれ訪ねてきてくださったのはいいのですが、3人が3人とも、TRPG 自体を一度もやったことがないと仰るではありませんか!

 昨日がその第一陣で、2人の完全初心者を迎えてのセッションとなりました。今月の GM 担当はたまたま私で、こちらとしてもまったく初めてのことなだけに、お二人にどうやったらすんなり親しみ、楽しんでいただけるかと、ここ1〜2週間かなりいろいろ悩んだものです。(ウェブ上の記事で参考になったのは、たとえばでみさんのかなぁ)

 最終的に、システムには"迷宮キングダム"をチョイスしました(リプレイでしたら「百年の虚読」さんのとかオススメ)。「小国を経営するシミュレーションRPG」と謳っているようにコンピュータゲームを意図的に模している面があってとっつきやすいのと、データが最初からすべてカード化されていて、それを使えば自分の能力や持ち物を把握しやすいこと、名前から何から事あるごとにダイスを振って表で決めるというルールなため、とにかく表を振っていればそれだけで(人生ゲームなど一種のパーティーゲーム的に)盛り上がれることなどが決め手です。ルールサマリーまで組み込んでA3一枚に収まった、使いやすいキャラクターシートもプラスポイント。初心者対応を抜きにしても、ルールブックは読みやすい文章&編集だし、シナリオを準備する負担も少ない。これは良いゲームです。

9/10

 まるまる3ヶ月(1季節!)ぶりの更新です。もともと《負の周期魔術:春〜夏》《正の周期魔術:秋〜冬》を持っている人間なんですが、今年はそれに輪をかけて調子が悪くて、ぐだぐだでした。Outpost Saga の方を最低限こなすだけで精一杯。
 更新が滞ったのにはもう一つ理由があって、キャリアアップのために平常の仕事の傍らとある計画を進めているのですが『幼童にもできる社会戦』によると「ここだけの話」は禁物だそうなので中身は内緒)、そちらにかなりの精力を取られているのです。来年春までかかりますので、しばらくはこんなペースになりそうです。どうぞご容赦を。

 相変わらずの貧乏暇無しで、たまの休みに出来ることといったらライトノベルを読むくらい(普通の小説を読むほどの余力がない…)。最近のヒットは青木祐子さんの「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズかな。人の心を映すドレスを縦糸に、内気なお針子と公爵令息の身分違いの恋を横糸に、じっくりじっくり編まれていく佳品です。じれったいくらい抑制のきいた構成が私好み。クリスとパメラの友情もいいし、それとイアン先生のとんちんかんぶり、お前は俺かと。

9/24

 …とか言っておきながら、どういうわけかぽっかり一日休みが取れたので更新。こういうチャンスにこそ遊びたいんですが、なかなかシナリオをまとめるほどには時間も気力も残っておらず…。
 持続:魔法円(Ring)は限定された状況下では4版時代の永続(Permanent)の代わりになるかも(歪曲値は来るけど)とか。地獄本の術だとやっぱ〈魔業/Diablerie〉が最強っぽいなあとか。HoH:Sのイェルビトン派の最後に載った「MuMe/レベル5:感情や記憶を物質化して取り出す」ってガイドライン追加は、これでククルの店(傑作!)やローズカラーズも現実に手が届くようになったなあとか。そんなこんなの細かいアイディアを頭に浮かべる程度で終わっています。残念。

10/25

 アルス・マギカは魔法使いものであるからには、これぞと見込んだ勇者に魔剣を託し…といった展開をやってみたいのですが、考えてみるとこれが案外難しい。

 まず、俗世の人間は魔法抵抗が無いので、〈パルマ・マギカ〉を張っているマギにくらべると危なっかしくてしょうがない(ReViで魔法抵抗を与えるルールが5版になってから削除されちゃったし)。それにかぎらず、剣に象徴されるような力においては、「自分ではできないから他人に委ねざるをえない」という動機がないのでね。
 それに、託す相手の資質としては技能とか何とかよりも、力に溺れない/悪用しない品性の方が問題になるのだろうけれど、性格値のある『ペンドラゴン』や夢歩きのある『深淵』と比べて、内面を規定するルールに乏しいんですよね。むしろ一人のコンパニオンの傍らにあって、正しい道へと導くガンダルフみたいな方向を考えるべきなのか?

 もっとも、マギに欠如しているものとは、それは社会的な能力なわけです。だから、このシステムを十全に活かそうとしたら、そのスタンスは神話の時代でも伝説の時代でもなく、人間の時代なのかも。力があろうとなかろうと、登場人物は泥臭い社会の中で生きている等身大の人間で。そんなことを思ったりします。

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