イタリア旅行記2005
夢枕獏の『陰陽師』のごとく、アルスマギカ日本サイトの氷川霧霞さんと二人組で、
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。
※本業(チェンバロ弾き)の宣伝媒体向けに作った紙面に、アルス・マギカ関係を若干加筆したものです。そういう事情で音楽ネタが多いですが、興味のない方は華麗にスルーしてやってください。
「あれからどうしていた?」
「もっぱら準備に明け暮れてたよ」
俺の問いにエルフは貌を引き締めた。「近く東方へ旅立つ。大陸を横断して、できるならその果てにある海を越えて、侍が発祥したという国をこの目で見てみたい」
「ミフネがいた国、か」
俺はハイランスの腰に下げられた達人の刀の、元の持ち主だった侍将を思い起こしていた。恐らくハイランスを駆り立てているのは、あの老守護者を生んだ国を見聞きしたいという渇望なのだろう。
(ベニー松山『風よ。龍に届いているか』より)
[戻る]
|