全美点解説に挑んでみる!

 五版基本ルールブックに掲載されている、すべての美点と欠点について、概要と活用法、ネタなどを書いていきます。美点や欠点は個々のルールと密接に結びついていますので、ルールの全体像をある程度描き出すことにもなるでしょう。ただ、五版刊行まもなくの時点で書き始めていますから、考えの足りないところは多々残るものと予想されます。後から気のついた部分は、その都度予告なく補記訂正していくつもりです。

 各々の美点/欠点は、p.38〜39のリストの分類に沿って、アルファベット順に並べています。また、旧四版からのバランスの変更なども付記しました。いずれ賞味期限切れになる部分ですが、個人的にいろいろ面白いので…。

 なお、著者に申し訳が立ちませんので、あまり具体的な数値などには立ち入りませんし、まして翻訳にするつもりもありません。詳しいことが知りたい方は、ルールブックを買って読むようになさってください。私はAtlas社の回し者ではありませんが、こんな良いシステムが25ドルなんて、絶対お買い得ですって!

■目次

美点

欠点

■基本事項

 美点にはプラス、欠点にはマイナスの値がついています。±1〜6点のレーティングだった四版とは異なり、五版では「大(Major)」と「小(Minor)」の2段階で、このうち「大」が3点相当、「小」が1点相当です。
 それを踏まえて、美点をとるためには、それに釣り合う欠点をとらねばなりません。たとえば、大の美点をとるためには、大の欠点を1つか、小の欠点を3つとらなきゃいけないわけですね。

 そして、重要なことですが、美点と欠点の最大の機能は、シナリオのネタの提供です。たとえば《暗い秘密》をとるということは、「バレそうになってドキドキのシチュエーションをシナリオに盛り込んでくれ」とストーリーガイドに言うのと同義だってことです。「《地獄の力への感受性》? ふーん、悪魔出してほしいわけ。了解了解」とかね。美点や欠点のコストにもこうした要素が加味されており、物語を作りやすくするものほど、その報奨としてコストパフォーマンスが良くなっています(キャラクターにボーナスを与える欠点が存在するほど)。

■取得制限

 美点/欠点をとる際の制約は以下のとおり。

  • ポイント的にゆとりがあっても、小の欠点は一人五つまで。
  • 特に記載のある場合をのぞき、同じ美点/欠点を重ねて取るのは不可。
  • 「地位」分類の美点/欠点をかならず一つ取得すること。
  • 「物語」分類の欠点は一人一つまで。特定のキャラクターがたくさんのシナリオで主役になるのを避けるため。
  • 「性格」分類の欠点も一つに留めるのが望ましい。特に、大のものを複数とるのは禁止。キャラ立ちをしやすくするため。

 さらに、キャラクタータイプ別の取得制限がこれに加わります。

マギ

  • ±10まで取得可
  • 「ヘルメス」分類の大の美点は一人一つまで。
  • 「ヘルメス」分類の欠点を一つ以上とること。
  • 特殊美点の《天稟/The Gift》を自動取得。「地位」も《魔術団のマギ/Hermetic Magus》で固定。
  • 小の美点をこれまた無料で一つ取得(流派によって決定)。

コンパニオン

  • ±10まで取得可
  • 「ヘルメス」分類の美点/欠点は基本的に取得不可(ただし《天稟/The Gift》持ちは例外)。

グロッグ

  • ±3まで取得可
  • 《天稟/The Gift》と「ヘルメス」分類の美点/欠点は不可。
  • 「物語」分類の欠点も取らない方がよい。グロッグはあくまでも端役ですから…。

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