Trouble at Vita
AEterna
註釈とあとがき
プレイ:2003/09/15
レポート作成:2003/10/30
■宗旨替えの理由
タイトルを訳せば「ウィータ・エテルナの災難」となりましょうか。
元ネタは Henry G. Thomas
氏の書いた、アルス・マギカの同人シナリオ"Trouble
at Gloria Senecta"。ArM 仲間の侏儒屋さんが訳しておられたのを、誤訳洗い出し&推敲という形でお手伝いしたのが出会いです。ユーモアあふれたなんとも楽しそうなシナリオでしたが、会議の場面周辺をうまくマスタリングできる自信が無く、例によって自分用に大きく手を加えました(そして例のごとく、まったく原形を留めていません^^;)。
実は、第11話の結果を受けて、SGの私は少しばかり困っていました。ウェーラやアゼルをコヴナントの面々に顔合わせするという、シナリオの目的がうまく果たせなかったのです。ウェーラはまだ奥の手を隠してあるからいいですが、敵視して出奔したアゼルはどうしたものか…。
で、いろいろ悩んでいたんですが、真面目に考えるのもいいかげん疲れてきたし、気分転換にキレたジョークをやってみるのもいいかなぁ…と。
もう一つには、ダースドラゴンさんとこの対ディエドネー戦や、(システムは違いますが)Easy さんとこの"逆襲のノスフェラトゥ"などに触発された面がありました。
それに、うちのプレイヤーたちはあんまりルールを読まないメンツです。私が同じマギの立場でプレイして、「こんなルールもあるんだよ〜」と例示できないか。それも一つの目的でした。PCと同じ成長条件の敵キャラという条件を設けたのはそのためです。もっとも、彼我のルール知識の差から、そのくらいハンディをくれてやってもバチは当たらんだろうと、高をくくっていた面もあったことは白状しておきます(笑)
…ああ、しかし、奇しくもプレイ日が"Et tu, Brute!"からぴったり三年後だったとは。
■戦術ミス
「戦闘も本気、ギャグも本気」のつもりでしたが、ずいぶんあっさり敗退する結果になりました。今にして思えば、「あのときああすりゃよかった」って後悔ばかりなんですが、それも私のプレイスキルの低さと言うよりありません。それに、先に一人だけやられて手持ちぶさたになったらそのPLに悪いなぁとかという気がやっぱり心のどこかにあって、どうしても手心を加えてしまうんですよね。悪い癖です。
具体的には、
- マギたちが〈パルマ・マギカ〉を張り直す瞬間をねらって襲う(パルマを張り終わるまで所要1分=呪文を最低でも3つは唱えられる)。たとえ両者パルマ無しとしても、自分は魔法実力値があるぶん有利。
- 奇襲せずに、室内の霧の濃度を上げて視界を奪ってから動くことも考えられる。こちらは“大気を見はるかす真の視力”があるから平気。地下から攻撃するとしても、"エロメガネ"の透視を妨害する効果がある(InTeだけだから、霧対策を別途してからでないと下も見にくい)。
- 侵入する際は、R:自身のCrAuによって、パルマ内部にも室内と同濃度の霧を発生させてカモフラージュする(カメレオン作戦)。普通のマギなら魔法抵抗を一時的に落として侵入すれば問題ないが、〈召鬼〉のエスパーダは魔法実力値があり、これによる抵抗はパルマや様式とちがって抑制できないため。
- 誰を優先して倒すのかはっきり決めて、方針をぶれさせない。
- セベリノを先にするなら、弱い効果でじわじわ攻めずに、"魂の峰打ち"で一気に戦闘不能に陥れる。そのままなだれこんで治療(CrMeやPeVi)の暇を与えず、急戦に持ちこんで刀で直接マギを斬り倒す。
- マギを先にするなら、上記のようにパルマの儀式中を狙って、アウトレンジから"滴る傷口"〜"吐息斬り"を連打。疲労レベルを徹底的に攻めて行動リソースを奪う(相手が自分でも減らしていくし、回復もほぼできないから、肉体レベルを削るより早く戦闘不能にもちこめる。ソードワールドでウィスプよりシェイドを使うのと一緒)。ただし、魔術物品を戦力とするアグリッパはこれでは抑えられない。だからあるいは先に、“遠近一如”〜PeTe/PeHe
の即興で、呪付物を破壊しておくべきかもしれない。
- 元来のターゲットであるラエリアに絞るなら、次元潜航艇でなく、正統的なデスラー戦法を用いる。PeImで姿を消した上でテレポートし、背後から直接攻撃かけて一刀両断、すぐさま“空蝉”で撤退。これを繰り返す。
- 敵に姿をさらしてしまったら、即座に地下へ撤退するのが望ましい。その場に留まるとしても、防御態勢を整えることを第一に考える。“見切り”でセベリノをつぶし(集中は“きつい呪文の持続”に移管)、マギの呪文は《魔法抵抗の共有》に援護させたパルマで耐える。とにかく負傷しないこと。一度負傷すると《傷の共鳴》で実力値まで奪われて一気に厳しくなる。
- 敵をなるべく散開させない。あるいは集まるよう仕向ける。“大殺陣”で一網打尽にできれば、人数(=行動回数)差を補えるため。たとえば、接敵してきたセベリノとラサに、自分もろとも“魔楯両断”を食らわすとか。こちらは《魔法抵抗の共有》でその瞬間だけ抵抗を上げて弾けばよく、あとは刀の呪付を自分を巻きこんで連発できる(パルマが残っていれば、呪付効果の抵抗は容易)。
- 一度に目的を遂げようと欲張らないこと。ヒゲかなにかを切り取って手元にテレポートさせるだけでも、以後は誘導呪物による突破力増幅("Mysteries"を参照)ができるから楽になる。アグリッパの魔術物品を奪いとれば、それが誘導呪物にもなるから一石二鳥。また、“遠近一如”〜PeVi
の即興で、じわじわと相手に負荷をかけていく手もある(期待値だとD:太陽の間、相手の魔法行使判定に−10ペナルティを負わせられる)。焦らず一歩一歩優位を築いていくべし。
などなど。
※アルス・マギカの魔術戦に関しては、Albus
Corvus に優れた論考があります。オススメ。
■PLたちも…
もっとも、戦術ミスはSGだけでもありませんで、PLサイドにもツッコミどころはいろいろ。
- せめて姿は隠しませう。相手の視界に捕捉されていては、いくらでも魔法をかけられてしまいます。セオリーは
PeIm“不可視のヴェール”。
- 斬ってもハズレなのは、その都度転移しているのではなく、初歩的なReImで映像をずらしているだけ。霧を出すより、ReIm“動かされたイメージの復元”を即興して、元の位置に戻してやる方が確実です。リノアが唱えればたぶん大丈夫(アグリッパならもっと楽ですが、彼の場合は《呪文の低速使用》が足枷になりますから)。
- 敵がなぜ何もかもお見通しなのか。InTeで地下から見ていたわけではなく、《視界の共有》したパレドロスという霊のスパイがその場にいたのです。もちろん他に、InIm“遠方のイメージの召喚”などの疑いもあるところ。だから、InVi
“示された見えない目”をはじめとするバグスキャナーの使用を考慮してもよかったのでは?
- こうした籠城戦では、何をおいても部屋に各種の結界を張って、相手(および相手の魔法)をシャットアウトすべき。“炉辺の守り”が時間がかかりすぎて妨害されそうだとしたら、もう少し簡易な形でも(ReVi
などで、実力値持ちの生物の侵入を妨害したり、部屋自体に魔法抵抗を張ったり)。
- ここぞというところでは、もっと積極的に仕掛けてもいいかも。たとえば、相手がタリスマンたる剣に大きく依存していることは見破っていたわけで、それを処分するためなら、有り余るTerramウィースを大量投入してMuTe呪文の達成値を増幅するとか、セベリノが武器落としを試みるとか。
ともあれ、最初から最後まで笑い声のたえない、とても楽しいセッションでした。その事実にくらべれば、こんな反省なんて、つまらない事柄ですね(^^)
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