楽士の呟き

2006年夏〜冬

6/28

 最近ますます「何でも屋」指向が強まっています。指のテクニックではピアニストに負け、合奏の仕切りでは指揮者に及ばず、アレンジや曲作りは作曲家ほどではなく、チラシはデザイナーまでは綺麗でなく、レクチャーの発音は俳優やアナウンサーよりは聞き取りづらく、楽器のメンテは職人でないと手の出せない領域がごく一部あり、作品調査では音楽学者に劣る、といった案配。

 けれども、各々の専業職に半歩譲る程度の水準で、このすべてをこなせるというのは、人材不足の田舎では素晴らしい売りなのです(そうした状況に積極的に適応していった結果ともいえる)。D&Dのバードもそうだし、これも予定調和なのかしらん。他に冒険者がおらず1人でダンジョンアタックしないといけないとしたら、HFOよりバードの方がマシだと思いません?

 ただ一方で、この上半期は苦しみの多い半年でした。パーティーメンバーが揃わない現状は現状として、一人でいかにレベルを上げようとも、踏破できるダンジョンには限りが見えてきたのです。このまま辺境に骨を埋めてよいものか。悩みは深いですが、その悩み自体が仲間に対する裏切りのように感じられて、相談することもできません…。

9/29

 更新停滞中ですまんこってす。プライベートの少ない暮らしが春過ぎから延々と続いておりまして、音楽以外のことを考えるゆとりが持てません。いつになったら復帰できることやら…。

 息抜きにちょっとだけゴシップ。5版のデザイナーである David Chart 氏が、日本人の女性と fall in love して、今では日本の神奈川にお住まいなことは、皆さんご存じのことと思います。この度ついにご結婚なさるそうで、氏のブログではしばらく前から結婚式の準備の話題が続いていたんですが、昨日付のを見ましたら、Atlas Games の John Nephew 社長もいま来日中なんですね(上司として式に出席するために!)。さて、どんなスピーチをなさるんでしょう(笑)

#10/1追記:わわ、羽織袴の記念撮影が。おめでとうございました。どうぞお幸せに。

12/25

 お久しぶりです。半年近く続いた過密日程を終えて、ようやく娑婆に帰って来れました。まったくアドベンチャラスな毎日で、その辺は mixi の日記でも覗いていただければ(ここと同じ Regulus の名前で探してください)。デスロードのラストを飾ったのは昨日、イヴのデートスポットに出掛けて、丸1日/9時間にわたって長丁場の大道芸人です。バード技能で投げ銭いただいてきました。おかげさまで年を越せそうですm(_ _)m

 留守のあいだに、木霊す声ではまたぞろ迷惑カキコが頻発して、今では英仏伊の三カ国語が乱れ飛んでますね。相手がこのくらい間抜けならまだかわいげもあるんですが、後で時間をみつけてなにか手を打ちます。来年はスケジュールも若干緩むはずですので(そう願いたい)、全美点の記事の続きもなんとかと思っています。

1/1

 felix sit annus novus.
 初仕事にとりあえず、木霊す声のスパム対策をしました。あまりエレガントでない方法ですが、1. 日本語を含まないカキコ、2. URLを4つ以上含むカキコ、この二者を跳ねるように設定しています(海外の方ごめんなさい)。

 これだけだと年初の更新にしてはショボくて恐縮なもので、埋め草として、ちょっとお役立ちのフリーソフトのご紹介なぞ。

  • WeBoX
    インターネット上のウェブサイトをローカルに保存し、ツリー構造で整理できるスクラップツール。「前に検索でこんな良ページに行きあたった憶えがあるんだけど、さてどこだったかな」という手間がいらなくなります。2年ちょっと前から使い始め、HD内に貯めこんだページは4GB近く、簡易タブブラウザの機能も兼ねていて、もはや頭脳の延長として日々の生活に欠くことができなくなりました。
    スクラップに限れば"紙"、純粋なタブブラウザなら"Sleipnir"といった専門家がいて、それらは私もサブで使っていますが、"WeBoX"はなんといってもこの両者を兼ね備えるのが魅力。まだバージョンが1.0に届かなくて、稀に動作が不安定になることがあるのが玉に瑕ですが、それを補って余りある便利さです。
  • マウ筋
    予め決めておいたマウスの動きで、任意の命令を実行できるようにするソフト。"Sleipnir"と違って"WeBoX"にはマウスジェスチャ機能が無いので、これで補っています。
    どういうことかというと、たとえばマウスを「↑↓」と動かしたら「現在のタブを閉じる」とか、「↑←」で「googleへジャンプ」とか、そんな具合。いちいちマウスカーソルをメニュー/ボタンまで動かしたり、あるいは手をキーボードに移したりといった手間が省けて、PCが思考にそのまま追随してくれる感じ。
  • CLCL
    クリップボード拡張ソフト。文字列をいくつも貯めておけるようになり、転記したり編集したりの効率が目に見えて上昇します。コロンブスの卵なアイディアで、これも"マウ筋"と同じく、いわゆる一つの「なくてもあまり困らないが、あるとないでは全然違う」「使い始めたら無しではいられない」たぐい。
  • Ncw
    普段は画面の隅に隠れていて、マウスカーソルが近づくと姿を現すランチャ。余計な機能をもたず、軽くてスマートなのがマル。この手のソフトも他にもいろいろあって、もっと良いものもあるかもしれないですが、とりあえず何も不満なく使っています。
  • GIMP
    画像の編集/加工ソフト。信じられないほどの高機能を誇り、無料ながらほとんど"Photoshop"に迫る勢い。
    余談ですが、演奏会のチラシを作るとき、近年の私の工程は、
    1) 素材にする画像をGIMPで加工
    2) Adobe Illustrator でレイアウト&文字入れ
    3) 京都の格安の印刷所に入稿(これまでかなりあちこち見てきましたが、ダントツ安いです!!)
    4) 新生銀行から印刷料金振込 (振込手数料が月5回まで無料なので)
    てな流れになっています。

1/14

 2年近く昔のを掘り起こして、今更ながら2005年イタリア旅行記の残りをアップしました。ルッカもピサも素敵だったけれど、私にとってローマはやはり頭一つ抜けた魅力の場所だったようです。そうでなくとも、イタリア通り近くの出版社に楽譜を発注したり、再来月は『ディドーとエネアス』オペラをやったりと、ローマからは離れられない人間な模様(^^;)

1/31

 Emergency!!!
 先週木曜のコンサート前、会場へと運ぶ途中に段差で足を取られて転倒し、チェンバロを落としました。徒弟時代から数えればもう200回や300回は軽く運搬しているというのに、こんなボッチをしたのは初めてで、はっきり言ってショック(四版時代の自信点喪失を彷彿と…)

 ただ、何が幸いするか分からないもので、普通のチェンバロ弾きだったらそこで楽器全損&コンサートキャンセルとなるところ、折からの何でも屋指向の一環として楽器職人の素養も培ってあったため、転倒時の楽器のダメージを最小限まで軽減した上で、その場で素早く簡易修理して演奏可能なコンディションに持ち込み、見事開演に間に合わせました。

 その後、家に持ち帰って本格的な修理を施し、音楽的にはほぼ元通りのレベルまで修復成功。あとは外見の傷が若干残っていて、それは塗料などの入手経路の関係で工房の領分ですが、客席から見えない裏側ですし、ゆるゆると暇をみて手配することにします。

 なにせ替えのきかない商売道具なもので、一時はどうなることかと思いましたが、助かって良かった良かった。

2/5

 先月下旬にサークルの仲間たちと毎年恒例の温泉旅行に出かけた際、アルス・マギカに題材をとったボードゲーム"Grand Tribunal"(大評議会)を遊んできました。ただ、うちのメンツは私以外だれも英語を読めないので、どうしようかと少々思案を要しました("Once upon a Time"のときはカードに直接書き込んだんですが、今回は一枚あたりのテキストが多い)。結局、ぴろきさんのアイディアを真似して、カードスリーヴで即席の日本語化を施して一件落着。

 プレイにかかる時間は1ゲームあたり1時間強。3〜5人対象のうち4人プレイだったのですが、このくらいが一番バランスが良いようです。手番数がキツすぎず緩すぎず、いろいろな選択肢がどれもちゃんと意義をもっている感じ。3人だと短期決戦になりすぎて、戦略の幅が狭くなっちゃうんですよね。
 M:tGほどの明晰なテキストやルーリングは望めませんが、それでもゲームバランスはなかなかよく練られています。決して多くない手番をいかに有効に用いるか、周囲の進捗状況を眺め、ウィースの残数も勘定しつつ、計画的に考えないといけません。全部で3回ある評議会の合計点数で勝者が決まるわけですが、手札によっては最初の評議会を捨ててかかって、まるまるリソースの蓄積にあてるようなペース配分も必要。
 フレーバー的には、ウェルディーティウス派で行われる魔術物品の品評会を派手にした感じです。プレイしていると、各々地道に自分の品物を呪付するかたわら、隠し持っていたReMe"正当な権威のオーラ"で票を操作して一発逆転とか、呪文コストを減らす資源カードとMuVi"魔術師の増強"のコンボで呪付物量産とか、"愚者の黄金"で他PLの有力物品を掠めとってみたりとか。楽しかったですねぇ。

2/14

 某所で見かけた心理テスト。

 あなたにとって腕時計とは?

 私の回答:
 自分を社会に繋ぎとめるもの。手首を締めつける錘のような感覚が邪魔で、鍵盤に向かう時には必ず外す。

 …
 ……
 ………
 この「腕時計」は、そのまま恋人に対する考え方だそうです。o ○

#もっとも私とて、片想いの相手とアンサンブルした際に「見つめられて幸せ」とか思った記憶はあるものですが。

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