楽士の呟き

2004年秋

9/1

 開設から5季節、倍速モードで頑張ってきましたが、ようやくある程度の記事が揃ってきました。頃合いだと思いますので、そろっと更新速度を緩めます。今後は「月2回+α」を目処にしていくつもりです。これからも何卒よろしゅうに<(_ _)>

9/7

 一昨日まで三週連続の本番でした(しかも全部別プログラム。なんて不効率な!)。このジェットストリームアタックで毎週末ほとんど徹夜、目の下は森のクマさん状態でステージに上がる日々。TRPGのマスターと同じで、当日の体調が悪ければ演奏にも悪影響が及ぶことは分かりきっているんですが、さりとて準備が終わらないうちは寝るわけにもいかず。で、どんなにツラくとも、お客様がみえたらあとは笑顔笑顔。最後はもう根性です。

 3月末と同じく相当テンパっていたとみえて、浮かぶ発想からしてもうだめぽ。ある夜の夢ではフォリアゴジラを重ねて弾いてました。夢の中では「おっこれはいけるぞ」と思ったのですが、目が覚めてよう考えたら(よう考えんでも)和声的に厳しいのに気づいて没。

 今回我々のフォリアの譜面は、16小節サイクルで繰り返すコードネームだけでして(TRPGでいうと『深淵』でPCだけ作ってあとアドリブって感じ)、一昨日のセッションで実際どうなったかはこちら。精神的にも肉体的にも疲労が限界に来ていて演奏の精度は最低でしたが、テンションだけは高かった(^^;)
 …なんか
2/22のとも合わせて、バカばっかやってると誤解されそうなんで、一応、同じライヴ録音の中から真面目っぽいのもひとつ

9/17

ほかにすることはないのですか (軍師 諸葛亮

  いや、でも、こういうのが楽しいのよ、まったく。

10/10

 根性頼みの日本軍は敗北しました…。

 木霊す声をご覧になっていた方はもうご存じかと思いますが、帯状疱疹座骨神経痛を発症して伏せっておりました。いやもう痛かったのなんの。
 原因はどこからどーみても過労です。ダイエットなんて何もしていないのに(そんな暇ない!!)、発病直前には体重もだいぶ下がっていましたし。体力や免疫はがた落ちだったことでしょう。いかに自分で動かにゃ何も進まないベンチャーとはいえ、働きすぎて破綻してちゃあいけませんな。

 これから(平均寿命まで)50年生きることを考えると後遺症は残したくないので、これを機に十日ほど、すべての仕事をストップして療養しました。兄弟子が「もし回復が間に合わなかったら、いつでも代役してやるから」と言ってくれて、それでいくらかなりとも心を楽にして休めました。この辺やっぱり一門の絆というか、日頃から共有している同志意識のおかげです。

 もっとも、制御を越える過密スケジュールになった一因には、当の兄弟子が、ある演奏会で共演者と喧嘩別れして降板し、急遽私が肩代わりすることになったためもありまして、
ロザリオを受け取った時点であなたは祥子の妹。お姉さまが空けた穴を、ふさぐの当たり前でしょ?
をお互い地でいっているわけですが(トホホ)。

 ともかく、まだ痛みは若干残るものの、なんとか動ける程度には復活しましたので、今日からまた更新再開します。ご心配おかけしました。

10/17

 汝は人狼なりや?

 侏儒屋さんが以前レビューしてらした非電源系のゲームですが、オンラインでのプレイが最近ひそかに流行の兆し。プレイログを読み出したらもう止まらない。腹の探りあいがおっそろしくスリリングです。特にここの一番最初の『疑心暗鬼の村』。アルビン、オットー、あんたらネ申だ…。

11/3

 ばったりと更新が滞りまして相済みません。本当は5,000ヒットの御礼に、シナリオなりプレイレポートなりアップしたいところなんですがねぇ。o ○

 地震で死亡疑惑とか立ってそうですが、無事です。生きてます。
 が、仕事に追われてキレそうです。関連業務の一切を自分でこなせる"オールインワンのチェンバロ弾き"であることには誇りを持っていますが、なまじ各種スキルを備えているだけに、下手をすると「私できないからRegulus君やっといてよ」ってな具合で、雑務を際限なく押しつけられるんですよね。そうして鍵盤に向かえる時間はかぎりなくミニマムに。低下する演奏のクォリティ、落ちる評判。たまらんたまらん。
 そうでなくともこのごろは、実力がある程度の水準に達したためか、ねたみだとか足の引っ張りだとかを微妙に受けるのが続いて、気が滅入っていますし。そんな中で、唯一の救いは同年輩の音楽仲間たち。彼らと気兼ねなくアンサンブルしていると、本当に時間を忘れます。純粋な友情って貴重。

 要するに、V:tMの幼童の気持ちがよーーく分かる毎日なわけです。

 とにかくひとまずは、今週末の演奏会さえ乗り切れば、以降月末までの四回は大半を使い回しのプログラムでいけるので、なんとか一息つけそう。その希望を頼りに踏ん張りまする。

11/7

 今日の演目は、オルフェウスの黄泉下りと、ディドーの自害でした。曲はそれぞれクレランボーとモンテクレール。フランス・カンタータの神品です。
 ところで、興業面で問題がなくとも、演奏者としての立場で悔いを残さないコンサートは稀です(少なくとも私の場合は)。今年もここまでだいたい20回くらいあちこち出演してきましたが、今夜のように満足感と安らぎに包まれて、成功の余韻を楽しめたのは、せいぜいその一割くらい。明日からはまたすぐ次の仕事が待っていますが、今夜はいっときその美酒に酔うことにします。

 ついでに、このごろ心に元気をくれたもの。

 人の醜い底意に触れると、精神的なエネルギーを削がれてしまいます。こうした真心がいちばん。

11/15

 イタリア行きてぇぇぇぇ!

 フレスコバルディの就任演奏に三万人が集まったというローマのサン・ピエトロ大聖堂。モンテヴェルディが楽長を務め、彼の傑作で晩課をあげたヴェネツィアのサン・マルコ教会。ペルゴレージや「ナポリの六」の和音のナポリも、ソフトとハード(曲と楽器)ともにヴァイオリン族が生まれ育ったボローニァも、もちろんオペラ発祥の地フィレンツェも。そこがどんな空間で、どんな響きがするのか、それを身体で感じたい。

 辻音楽師の身では、お金が無くてこれまで考えもしませんでしたが、春からこのかた、旅行してきた弟の写真を見せてもらったり、マリみての修学旅行編を読んだりしたら、行きたい気持ちがむくむくと。8月末にやったコンサートのチラシには、ゲーテから引いて「君知るや南の国」なんてキャッチを入れたのですが、でもそれを一番知りたいのは演奏者の自分だったりして。
 生まれ故郷を終生離れず、旅行すらしなかったカントの例は確かにありますけれど、まだ若いですし、ここはデカルトに倣いたいところです。

11/27

 秋のシーズンの演奏会は今日が最後。気持ちよく終われました。次は一ヶ月後のクリスマスと年末年始。

 さて、モーツァルトのオペラに『ドン・ジョヴァンニ』があります(ご存じない方はこのへんとかどうぞ)。
 で、その「ドンジョバ」ですが、今年7月に行われた二期会の公演は、9・11テロで味付けした演出だったそうで。舞台は当然ニューヨーク、村娘のツェルリーナは下町のヤンキーといった具合。
 このツェルリーナには通称「薬屋の歌」という有名なアリアがありまして、これはモーツァルトの本来の形でも、恋人に「よく効くお薬をあげる」と言って胸を触らせるという少々アレな歌なのですが、なんでも今度の演出では白い粉と注射器だったとか。

 うーん、どうせそんなふうにやるんなら、とことんまでやりましょうよ。たとえば…

  • 騎士長はビンラディン風に、ドン・ジョヴァンニはブッシュ風に。
  • 墓場の場面の騎士長は石像ではなく、医者が出てきて「わしの誤診じゃった」。
  • 奈落落ちの終幕は、「実は生きていた」騎士長がドン・ジョヴァンニを世界貿易センタービルに呼び出して…。

 …マジでここまでやったらCIAに抹殺されそうだ((((;゚Д゚))))

  おまけ。
  大先輩のリコーダー吹きが作った回文で、
ユナイテッド航空93便乗客の勇敢な叫び。
  
「ダメだ、ワシントン市はダメだ!」 (だめだわしんとんしわだめだ)

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