内容:
呪いをかけられています。呪いの重さは、他の小の欠点と釣り合う程度。
第四版からの変化:
コストが−1から−4の可変型だったうち、こちらは−1の部分です。
コメント:
《呪い(大)/Greater
Malediction》と同様、他の小の欠点に収まらない内容をカバーするワイルドカード的なポジションです。魔術団における雑集派みたいなもの?(笑)
こちらでも思いつくものをちょっと並べてみます。(SG裁量の入る部分なので、どのくらい役立つかは???ですが)
その他のtipsについては、《呪い(大)》の方の記事もご覧になってみてください。
内容:
本来もたないはずの《天稟》の社交ペナルティが、動物に対しては適用されます。
第四版からの変化:
コンパニオン/グロッグ専用でしたが、5版になってからは《穏和な天稟》のマギでも取得できるようになりました。合理的なルール整理です。
コメント:
ヘルメスと超常、二つの分類に属する珍しい欠点です(他は《幻視/Visions》のみ)。本来の居場所は超常として、マギなら少なくとも一つは持っている魔術上の欠点という位置づけでも取れるように、ヘルメスにも入れてあるのでしょう。
詳しくは「ヘルメス」分類の方で書きましたのでそちらをどうぞ。超常分類としては、コンパニオンたちが俗世から(魔女などとみられて)排斥され、コヴナントに身を寄せるきっかけとして便利です。実際、サプリ"RoP:Infernal"を見ると、地獄界の歪曲でこの欠点を得るケースがあるわけで、そうした偏見もあながち故なきこととはいえませんし。
内容:
さまざまな白昼夢が訪れることがあります。
第四版からの変化:
+2の美点から−1相当の欠点へと転落しました。性能の低下(自発的に見ることができなくなった)もありますが、それ以上に、物語に資する内容のものは査定を甘くという新基準による変動と思われます。
コメント:
超常と物語、二つの分類に属する珍しい欠点。複数の分野で選択できるのは、他には《動物を怒らせる/Offensive
to Animals》だけです。
この《幻視》の場合、コスト評価からみても、ホームグラウンドは物語の方でしょう。助けを呼ぶ声のように発端に使ったり、繰り返し訪れる夢として煽ったり、細かに無意識下の伏線を張っていったりできるので、SGの立場からするととても便利。
幻視は明快に読み解ける必要もなく、いろいろ工夫のしがいがあります。たとえば、シナリオの内容をぼんやりと暗示してみたり。天地ひっくり返すような表象の読み方があって、「あれは私のことだったんだ。ずっと彼だと思っていたが」とか、そういう進行にハメることができたら楽しいと思いません? あるいは、媒体の方に凝って、ハンドアウトとして一幅の絵画だけを渡すとかいうのも面白いんじゃないでしょうか。
この辺の手口(笑)については、システム上の機能こそ異なれど、『深淵』のファン層に蓄積された"夢歩き"のテクニックが参考になります。たとえば以下のようなページ。
あと昔、在胡さんの書かれた素晴らしい夢歩き講座を見たことがあったかな(深淵の夢歩きに関しては、あれほどのテキストは未だに読んだことがない)。一部抜粋すると、
一言言うならば、可能な限りイメージで伝える。これにつきます。
例えば妹が死んだと言うことをPCに伝えたいとしましょう。その時の夢歩きで、
「君の脳裏に急に妹が血をはいて倒れているイメージがうかんだ」
と言うのはあまりにも具体的すぎますし雰囲気ぶちこわしです。どうせなら
「君の脳裏に人形がこわれるイメージが急にうかんだ、君はそのイメージの中の人形は故郷の妹が大事にしていたものだったことを思い出した」
の方が雰囲気がでるでしょう。私なら
「君は昔の事を思い出した。少年時代の頃の事だ。明らかに妹の方が悪いのに、君の方が親に怒られたということがあった。君の両親は君におにいちゃんなんだから、もっと妹を大事にしなさいと言った。君はその時、あいつなんか死んじゃえばいいのにと思った。」
という夢歩きにします。
とか。含みを多くするよう心がけよってことですね。サークルのサイトのリニューアルの関係で、残念ながら該当ページが消失したままになってしまっているみたいなんですが。
なお、幻視の内容は必ずしも真実とはかぎりません。CrMe魔法や悪魔の基本能力によって注入された"贋幻視"かも。
そうでなくともこの欠点の持ち主は勘の鋭い子が多いわけで、なまじ霊感がきくだけに、そちらに振り回されて理性を失いやすかろうとも思います。どうか自分自身の創りだした妄想に取りつかれて自滅しないように…。
「いいですか。これは魔女修行のいちばん大事なレッスンの一つです。魔女は自分の直観を大事にしなければなりません。でも、その直観に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直観は直観として、心のどこかにしまっておきなさい。そのうち、それが真実であるかどうか分かるときがくるでしょう。そして、そういう経験を幾度となくするうちに、本当の直観を受けたときの感じを体得するでしょう」
(梨木香歩『西の魔女が死んだ』より)
#一応クリーアモン派は、夢や幻視の解釈の専門家ではある。周囲にいたら相談してみるのもいいかも。