マギの戦術

 索敵/隠密

痕跡経由索敵側/隠密側

直接探知索敵側/隠密側

高度な隠密

 発見後

 特殊な戦術

誘導呪物

白兵化

 その他


■索敵/隠密

 マギの戦術の核心は、索敵にあります。敵を探知できなければ攻撃をかけられず、また逆に、探知されなければ攻撃されないからです。他のゲームが艦隊のガチンコな砲撃戦だとすれば、アルス・マギカは空母対空母とか、潜水艦同士の雷撃戦とか、そんな感覚。索敵と隠蔽はコインの表裏ですから、ここではセットにして考察していきましょう。

○痕跡経由

▼索敵側

 主に人間に生来備わった五感(視/聴/嗅/触/味覚)、およびその拡大によるものです。

 《鋭い視力》などの美点の持ち主、高い値の〈認識〉を有する者がこれに優れますが、マギならば簡単な MuCo 魔法によって、彼らと同等に感度を高めることができます。ビョルネール派なら、心獣に変身することで感覚が上昇する場合も多いでしょう。

 また、Intellego-XX によって、通常の五感以外の感覚を開くことができます(これがいわゆるセブンセンシズ…<ボカッ)
 中でもInAu25“蝙蝠の目”は強力で、相手が大気中にいるかぎり、位置を容易に割り出すことができます。水中や地中には効果が及びませんが、それぞれ InAq や InTe の類似呪文で対処できるでしょう。戦場に応じて準備しておいてください。
 相手が魔力を有する場合には、その気配そのものを InVi で探知するのが有力です。本人以外にも、持ち歩いている魔術物品が魔力の残り香を振りまいていますし。特に貴金属や宝石の呪装具は、呪付を開く際に大量のウィースを食っているため、最低レベルの InVi でも探知できるほどです。また、何かの呪文がかかっていれば(ドーピングはもちろん隠蔽の呪文も)、その呪文を探知することで位置を割り出せます。

 別な方法論として、相手が魔法抵抗をもつ場合には、最近流行の(?) CrAu によるアクティブソナー戦術が有効です。実例はこちら

 なお、感覚器官の及ぶ距離には限界があります。相手が人間であれば、五感の及ばない距離なら相手からも見えないはずですが、それ以上のところの情報が必要になる場合もあるでしょう。
 そのためには、リスクを冒して偵察員を派遣するのがまず考えられます。適当な使い魔のいるマギなら、彼らを出すことができます(《感覚の共有》の紐帯をつけてあればモアベター)。ただし、見破られてつかまると大事ですので要注意。
 また、対象と会話する Intellego 魔法を用いて、自然の諸物から情報をもらうことも可能です。ただし、なにせ相手が人間ではないですから、もっている情報の内容にはかなり制限がつきますが…( InAn が一番マシか?)。
 観察先の誘導呪物を確保できるなら、それを利用した InXX 魔法を使うのが最も安全確実です。この用途には、InIm25 “遠方のイメージの召喚”が文句ない機能を提供してくれます。それ以外でも、敵の住まい近くの湖からあらかじめ水を汲んでおけば、InAq20 でのぞき見して超長距離から攻撃をかけたりできますし、イカレたフランボー派なら、森の外から火をかけて、山火事の火を誘導呪物に内部を見たりするかも。

▼隠密側

 純粋に世俗的な媒体による索敵ならもちろん、魔法によるものでもマギ本人のところまで貫通させなくていい手法なら、パルマ・マギカ等の魔法抵抗では防げません。よって対抗手段はいきおい、探知される媒体を消すか、認識環境を悪化させるかに絞られます。

 まず「消す」方法。主に Imaginem を用いて、視>聴>嗅の優先順位で消していきます。
 Perdo で破壊してしまうのが安価かつ確実ですが、聴覚にこれを採ると、自分の呪文詠唱まで妨げてしまうのが難点。彼我の力量や状況を考慮して差配しましょう(美点《沈黙の魔法》をもっているなら、戦場全体の音を PeIm で消してしまうのは極めて有効な戦術です)。
 それと、WGRE の呪文集の中に、MuIm5 “唱える魔術師の静止/Passivity of the Spell Casting Wizard”というものがあります。映像と音を操作して、何もせずに突っ立っているさまを偽装するものです。この原理を応用すれば、自分のイメージを周囲の景色に溶けこませてしまうカメレオン作戦が可能です。正直に消してしまう Perdo 系とは異なり、その後の行使を妨げないのがメリット。
 より積極的には、Rego で位置をずらしたり、Creo でダミーを撒いたりして、無駄撃ちを誘う方法もあるでしょう。(ということは、索敵側も、見えたからといってそれを無邪気に信じちゃいけないわけですね)。

 魔力の気配を消すのは、かなり優先順位が高いです(私見では視覚の次くらい)。術法の最高値が 10 あまりという駆け出しのマギでも、InVi25 で見つかります。より強い魔力の持ち主なら、さらに低レベルの(=感度の悪い)探知にさえひっかかってしまうでしょう。魔術物品や作用中の呪文についても同様です。これを防ぐには、PeVi “魔法の匂いを隠し”が最適。とりあえず本人に関しては10レベル程度で足りますから、唱えておくことをお勧めします。

 「認識環境の悪化」には、それこそ様々な方法があります。PeIg30 “光なき井戸”で暗闇にとざす、CrAu で濃霧を出すなどが代表的なところ。そうした悪条件に自分たちまで妨げられないように、回避手段も用意しておきましょう。
 上記の“蝙蝠の目”にもこの手で対処します。空気を観測することで情報を得ていますから、ReAu などで周囲の空気をかきまぜれば、位置の特定が困難になるわけです。
 それと、意外に忘れがちなのが体温。InIg20 “熱の灯の視力”で見えてしまいます。相手がこれを使ってきたら、CrIg で周囲の気温を体温並みに上げることで対処します。

 余談ですが。
 このようにして入手情報を制限してやると、自然、相手は残りの感覚で情報を得ようと躍起になります。そこを待ちかまえて、ダミーを渡してやるのが幻術師の常套手段(D&Dなんかでも、ダークネスとベントリロキズムのコンボはよくやりますよね)。Creo-XX でうまいこと踊らせてやりましょう♪

 CrAu などによるアクティブソナー戦術の対策については、ここでもあれこれ考えましたが、おそらく一番手軽なのは、「陽径」程度の持続をもつ CrAu で風を起こし、継続的に吹き払う方法だと思います。大まかな位置が割れてしまうのはやむをえません。

○直接探知

▼索敵側

 呪文によって敵の存在自体を直接探知します。

 方法論としては、InCo で人体を探知する、InMe で精神や霊を見るなど。ただし、例の「誘導呪物の限界」がかかるので、ピンポイントの探索は原則として不可能。広めの対象パラメータをとって、その中にいるかいないか調べる程度になります。それでも、範囲魔法を叩きこむ準備にはなるので、役に立たないことはありません。

▼隠密側

 本体を直接探知してくるタイプのものは、痕跡や付随物を消したり隠したりという手段では防げません(人体探知の InCo をかわすためだといっても、まさか自分の身体を壊すわけにはいかんでしょう)。

 反面、そうした探知手段は必ず超常のものであり、魔法抵抗ではじくことができます。魔法抵抗の詳細はこちらをご覧ください。余裕があれば、InVi “示された見えない目”で、敵の探知呪文を監視しておくと安心です。この呪文の発展型として、逆探知の呪文も構成できるでしょう(私がSGなら「レベルが InVi 呪文の半分までの探知呪文の術者を逆探知する」とします)。

 また、CrVi によるミノフスキー粒子を散布して、こちらに対する Intellego 呪文を妨害する方法もあります。生身を越える五感を働かせる呪文の一部(遠隔地の映像を取得する InIm など)にも有効。
 妨害の程度は、「遮るものが存在するとだけ分かる」「何も分からない」「偽情報を掴ませられる」の三段階です(呪文開発時に決定)。妨害の程度に反比例して、防げる呪文レベルの上限が落ちるので、欲をかいて突破される愚を犯さないように。たとえば、一定の範囲にいることが最初から割れている場合には、厳密な位置の特定さえ防げばよいと開き直って軽度の妨害(通称"煙幕")をとると、低レベルで効率よく防御できます。

○高度な隠密

 究極の隠密とは何でしょうか?
 それは、相手に探されないことです。意表をついた作戦で思考の死角に入れば、相手が見当違いの場所ばかり探している間に、簡単に撃破することができるでしょう。いろいろ方法はあるでしょうが、ここでは二つばかりアイディアを挙げておきます。

 まず一つには、人間でなくなることです。敵は基本的に「人間を」探しています。MuCoで動物(や樹木や水や岩)に変身すれば、目を逃れられるかもしれません。
 《心獣》のビョルネール派は、この点で大きなアドバンテージを有しています。通常のMuCoによる変身なら、InCo“真の姿の看破”で正体を見破ることができますが、《形態の隠蔽》を標準装備する彼らには、そうした魔法が効かないからです。
 このことは、敵にビョルネール派がいる場合、付近の動物まで抹殺しなければ危険なことを意味しています。いやそれどころか、《心物》の可能性も考えると、樹の一本も残しておけません。敵に変身術師がいるか、また心獣が何かを事前に調べておくことは極めて重要です。

長い髪をほどいたエルは、疲労の色の見える顔をこすりながら言った。「ライラは寝にいかせました。館じゅうのありとあらゆる裂け目やひび割れのところには見張りを立てましたけれど、地を這う霧や雨で逃げ込んでくる蜘蛛までを疑うのはむずかしいですからね。御気分はいかが?」
(P.A.マキリップ『星を帯びし者』より)

 もう一つには、地上から離れることです。鳥に変身して高空を飛ぶ、水中に潜む、地中に入るなどがあります。ただその際、通常の五感に頼れないことが多いでしょうから、敵を探知する方法を別途確保しておかないといけませんね。
 対処方法ですが、この手の事柄は、相手の能力や状況を知っていればある程度予測がつくものですから、やはり情報収集が肝心です。

■発見後

 敵の位置を割り出したら、いよいよ呪文をかけていきます。一気にいけそうならそのまま攻撃呪文で。そうでなければ隠蔽の呪文を破って、他の味方に位置を知らせ、集中攻撃をかけます。

 隠蔽の呪文を破る手段として、まず上がるのがPeVi“世俗の静寂の風”などのディスペル魔法。十分なレベルがあれば、ついでにパルマ・マギカも吹き飛ばして、防御を弱体化してくれます。
 また、PeImはCrIm、MuImはMuIm、ReImはReImで、それぞれキャンセルできます。他にも、PeIgの暗闇にはCrIgの光で、CrAuの濃霧にはPeAuの晴天で…といった具合に対症療法は簡明です。自分の術法修得をもとに、臨機応変に対処しましょう。

 ただ、こうした呪文をかけるときに問題になるのが、対象までの射程と、隠蔽呪文とのレベル(or突破力)の比較。基本的には力でねじ伏せるしかないのですが、即興対定式だとまったく勝負になりませんから、定式呪文のレパートリーにしておくことは必須です。また焦点具があると、疲労を緩和できる上、突破力の底上げができて地味に助かります。もちろんウィースは切り札。
 なお、事前の仕込みが必要ですが、射程を埋めるには簡便な策が一つあります。まず、力負けしないために、秘薬を選択して高レベルを確保します。そして戦場では、そいつをRegoによるテレキネシスで射出するのです(テレポートできればなお可)。おそらく魔法抵抗にはじかれて本体までは届かないでしょうが、そこで炸裂すれば「伸腕」射程には十分入っているはず。

 また、索敵に成功した優位を固めるべく、敵の感覚器官をつぶすのも検討に値します。特に俗世相手の時には、初手からこれで安定でしょう(隠れようのない素人さん相手にいきなり傷害の呪文撃つのは、人としてちょっと…^^;)
 真っ先に思い浮かぶのは、PeCo30“乳白眼のまじない”ですが、コストが高い上、魔法抵抗を破る必要があるので、この目的ではあまり効果的ではありません。私のお勧めはCrIg15“真紅の炎の閃光”。習熟したこの呪文を敵全員に複数投射して、一気に目潰しかけるんです。
 あ〜あ〜目がぁ〜目がぁ〜!!(by ムスカ大佐
 レベルが低いため疲労しづらく、習熟も楽(1季節で可能)なのがマル。駆け出しのフランボー派の第一射には、案外、火力呪文よりこっちが良いのかも。一撃で倒さないと反撃のおそれがありますからね。死に至らせる(=耐久度6つを奪う)には30ダメージが必要で、少なくとも25レベル呪文になっちゃいます。むしろ低コストによる一時的な無力化で態勢を崩し、稼いた次ラウンド以降に本格的な火力を叩きこむ方が手堅いわけで。

 なお、敵の位置がだいたいしか分からなかったとしても、範囲効果で攻めるという力業があります。対象の上昇にレベルをとられているぶん効力は落ちるわけですが、それでも手はいろいろと。
 単刀直入にCrIg25“燃えさかる一条の弧”を撃つ、CrAn20“織り姫の仕掛けし網の罠”で動きを封じる、PeTe15“ぽっかり開いた地面の穴”で足下を崩すetc...。CrAu10“数多き死体の悪臭”やPeAu15“こもった空気の部屋”なんかも嫌らしいですね。堅実にいくなら、上で書いたPeViの秘薬を範囲解呪仕様(射程「術者」、対象「室」以上)で作っておいて、射出/散布するとよいでしょう。

■特殊な戦術

 少々イレギュラーな回路です。条件次第では必殺の策に。

○誘導呪物

 敵の誘導呪物を入手できると、それだけで勝負がつきます。なにしろ、相手がどこで何をしていようと、ReVi“実体のないトンネルを開き”を経由していつでも直接魔法をかけられるのですから。グロッグの白兵決死隊を、ReCoで突如ワープアウトさせて取り囲むというテロまがいの戦法さえ考えられます。

 誘導呪物になる品物とその実効時間は、WGRE の p.74 に掲載されています。また、Mysteries には、誘導呪物を利用した突破力やパルマ・マギカの増幅手段が載っています。ご参考までに。
 作成した魔術物品はもとより、愛用の品物や髪の毛一本ですら、誘導呪物になりえます。自分の誘導呪物の管理には、いくら用心しても足りませんし、相手の誘導呪物を奪える機会があれば、積極的に狙っていきましょう。

 タリスマン以外はたとえ魔術物品であろうとも、それ自体では魔法抵抗をもちません。マギが持っていないときを狙えば、Rego系のテレキネシス/テレポート呪文の格好の餌食です。特にウェルディーティウス派を敵に回した時などは、ウィースによる増幅で強引にパルマを貫通させ、ReXX を叩きこんで相手の持ち物を全部ばらまいてしまう手を検討してみてもいいかも。

 また、いざ敵対となればガードが堅くとも、味方なはずのコンパニオンやグロッグには無警戒なものです。買収したり、Mentem で入れ知恵したりして、マギの品物を盗み出させてはどうでしょうか。
 逆に、自らの誘導呪物を敵のアジトに紛れこませ、それを通じて奇襲をかけるという手段も、(リスクは伴いますが)時に成立しうると思います。

 反対の立場から考えると、誘導呪物を通して攻撃される(されている)おそれがあるときには、WGREのInVi25 “活性呪結の糸(Strings of the Active Arcane Connection)”で確認の上、PeCo25 “誘導呪物の惑い”で禍根を断ちます。また、敵の攻撃がReVi “実体のないトンネルを開き”を経由したものである場合には、InVi による魔術的な視野を開くことで、その導管を逆用して反撃が可能。突然の攻撃を受けても、とにかくパニックを起こさないのが肝心です。

○白兵化

 敵勢力が優れた魔力を有し、かつ近接戦力に乏しい場合には、PeViを用いて戦場全体にアンチマジックフィールドを形成し、グロッグの数にまかせた白兵戦にもちこむ戦術が有効です。(『ガンダム』のソロモン攻略戦で、ビーム攪乱膜を張って要塞砲を無力化し、ジム部隊の揚陸させたのが好例)。

 原理としては、PeViのガイドラインの最後の項を使います。魔力阻害の程度は呪文レベルに比例するので、可能なかぎり高いレベルで開発のこと。射程を「術者」まで落とし、かわりに対象で「室」かそれ以上を選びます。一戦闘で一回使えば十分なのですから、メディアには定式呪文よりも秘薬を選んで、ウィースで研究値(ひいては効果レベル)を上乗せするといいかもしれません。
 また、許可するかどうかはSG次第ですが、理屈からいけば同じ原理で、特定の術法のみ選択的に魔力を阻害する呪文も構成できそうです。敵の得意分野をつぶせば、それだけで有利になります。

 応用として、制約術法にRegoをかませれば、自分のみ影響を逃れるようなこともできるでしょう(D&Dでいうところのグローブ・オブ・インヴァルネラビリティね)。このアイディアに組み合わせて、Regoを魔法抵抗の生成にも活用した結界儀式が、言わずと知れた“炉辺の守り/Aegis of the Hearth”です。第二代首座ノタトゥスの最大の業績であり、Perdoを制約術法から外した上に、レベル対効果を大きく引き上げています。ご参考までに。

 これをやられたら、基本的にPeViで力まかせに解呪するよりないのですが、そのディスペル自体も阻害されてしまうわけで、なかなか容易ではありません。魔法を絶対視して直衛のグロッグをおいていないと、困ったことになります。要注意。

■その他

 開戦前に、InMeによるテレパシーで全員を結び、情報を共有できるようにしておくといいかもしれません。一人が敵を発見できれば、それが全員に伝わります。

 魔法戦は疲労度の消耗合戦になりがちで、疲労せずに唱えられる定式呪文が鍵を握ります(この辺はLydia Leong氏 の論考に詳しい)。必要十分なレベルの呪文を選ぶのは当然ですが、意外に効くのが焦点具のボーナス。うまくすれば1強度上の呪文を選べます。

 それと、相手の耐久度と疲労度、どちらをねらうか焦点を絞りましょう。相手が呪文詠唱などで自分からも減らしてくれること、魔術理論の限界で「疲労度を回復させる呪文」が純粋なヘルメス魔法には存在しないこと(妖精魔法ならウィース併用で可能です:"Houses of Hermes"参照)から、対マギ戦なら疲労度を削る方が有力です。ただし、耐久度なら暴力的な手段で一度にいくらでも削れますが、疲労度を複数落とす手段は限られます。ワンチャンスに大魔法を叩きこんで勝負をつけるなら、耐久度ねらいも十分アリでしょう。
 なお、マギ間戦闘を主とした本稿では蛇足ですが、攻撃手段は一種類に頼らず、なるべく散らしておくべきです。たとえば、すべての悪魔は火炎無効を標準装備していて、どんな高レベルのCrIgも効きませんし、幻獣の多くは Animal 対象ですから、PeCo や PeMe を満載していても手が出せません。もちろん、必要が生じてから呪文開発することはできるでしょうが、最短1季節という所要時間で果たして間に合うか。

 また、速唱による対抗魔法は、単独のスペックでみると費用対効果が低いです。ルールを強引にかみ砕いて言うと、呪文行使判定の達成値を比べ合って、相手より5点以上高くないと成功しないのですから。力量互角の相手が放った呪文は、素ではカウンターできないわけで、疲労は当然として、さらにウィースで増幅でもしなければ話になりません。
 しかしマジック・ザ・ギャザリングでは、カウンター呪文を詰めこんだパーミッションデッキが猛威を振るいました。その例から分かるように、全部の魔法をカウンターする必要はさらさらなく、重要なものをピンポイントでつぶすだけで、相手の戦略を十分破綻させられるのです。マギの人数に余裕があるなら、カウンター要員を待機させておくと安心です。

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