コルシカ島のドラゴン


(登場:conv. b1, b2

プロフィール:

 十年前にピレネー山中から飛来して、コルシカ島を占拠した若い火龍。

 島の中央山地にねぐらを構え、付近の商船を襲うなど、気ままに悪事をはたらく。ついたあだ名は「ヴェスビオ」。追い出された島の住民は、ピサやジェノヴァに身を寄せ、細々とした避難生活を強いられている。

 一方でコルシカ島は、全島が弱い魔法オーラで覆われ、山地の岩石は微量のウィースを含有する。ローマ管区評議会はこれに目をつけ、俗世との関係改善による政治的利益も鑑みて、龍退治を行うコヴナントを募った。報償はコルシカ島のウィース採掘権。さらに龍の身体は魔法資源の塊であり、これも施行者のものとされた。

 このハイリスク・ハイリターンな企図に、PCたちのコヴナントが総力を挙げて挑む。龍退治の秘策とは…?

プレイヤー:(NPC)

SGから一言:

 "Medieval Bestiary revised edition"p.96〜の Draco の項(特に Tatzlwurm)からアレンジしたものですが、一言でいってしまえば「大艦巨砲主義」です。実力値40と強敵のようでも(実際強敵ではありますが)、柔軟性に乏しいので、戦力さえ分析してまめに対策を立ててしまえばOK。そして、季節単位の研究によって柔軟性と強度を両立させられることこそ、ヘルメス魔法の最大の特長なのです。

 なお、このシナリオのネタ元は、イトーさんの「魔竜シューティングスターを落とす!!」。この記事にかぎらず、ソードワールドのルールを極限まで研究していて、とても面白いサイトです。見直すこと請け合い。
 他に、Beholder さんや R2さんなど、AD&D方面のも参考にしています。ただ、伝承ヨーロッパのドラゴンには、こうしたケモノ系というか、固定した特殊能力しか持たない奴も多いので、その点だいぶ変わってきます。AD&Dのドラゴンが相手なら、むしろマギを仮想敵としたのと同じ戦術を適用することになりましょう。

 下記のデータの黒字部分は、これまでの調査で判明した情報として、プレイ開始時に全PLに配布されます。灰色の斜体の部分 は、その配布資料には記載されず、必要を感じたならばプレイを通して入手しなくてはなりません。


A.D.1222年春現在

特性値:

【知性】+2、【知覚】+2、【魅力】+3、【交渉】+3
【筋力】+11、【体力】+8、【器用】+0、【反応】−1

サイズ:+5(体重2トン)

人格特性:略奪+5、強欲+3、謎好き+3

疲労度:OK、0/0/0、-1/-1、-3/-3、-5/-5、困憊 (10段階)
耐久度:OK、0/0/0、-1/-1、-3/-3、-5/-5、危篤 (10段階)

魔法実力値:40

すなわち、行使判定が〔40+ストレスダイ〕を越えない魔法や効果は無効化される。
龍の特殊能力を魔法抵抗判定で退けるには、目標値が〔40+ストレスダイ〕となる。

能力:

〈運動〉(飛行)2、〈認識〉3、〈登攀〉3、〈人間知識〉5、〈策略〉7、〈ラテン語会話〉3

特殊能力:

  • 炎の息,CrIg35,4ポイント:
    範囲内に+35ダメージ。金属鎧は無効。〔【反応】−ENC〕で18以上を出せば、咄嗟に回避してダメージを半減できる。この判定では距離1歩毎に+1ボーナス。射程30歩(参考:PCたちの魔法で「近距離」のものが15歩)。円錐状に広がって最大幅5歩。
  • 恐怖咆吼,ReAn/ReMe20,1ポイント:
    動物や人間の集団を恐怖で逃亡させる。自然抵抗は人格特性「勇敢」で難易度9。
  • 邪眼,PeAn/PeMe35,5ポイント:
    R:目、D:永続、T:個。判断力を失わせ、虚偽に満ちた龍の甘言を信じさせる。自然抵抗は【知性】で難易度6。
  • 容赦なき鼻,InIm15,0ポイント:
    R:近距離。獲物の位置を嗅ぎとる。レベル20以下のImaginem呪文をも透過。

  • コウモリのような翼を使って空を飛べる。きわめて高速。
    飛行速度は、Walking/Hustling/Sprintingで、21/137/277。

戦闘:

噛みや爪:INIT+6、ATK+9、DFN+0、DAM+20 接近射程
尾の一掃:INIT+0、ATK+3、DFN+0、DAM+25 接近射程
(尾の一掃では複数接敵のペナルティを無視する。被害者は武器の受け無効)

吸収値:+20
(火炎には30、冷気には10扱い。腹は弱いという噂もあるが…?)

龍鱗に対しては、ロングボウ/クロスボウのオプションルールは無効とする。
鱗のない腹部をローリーカ・セグメンタータ(吸収値14)でカバーしているが、一カ所だけ穴が空いている。そこを狙って撃ちこめば(4th第6章)、超過2点につき耐久度1段階与えられる。(最初からロングボウ/クロスボウだった場合はSG判断で超過1点につき耐久度1段階とする)。

疲労判定:+8

移動速度:20/28/91

その他:

  • 爪と牙
    Rego 1ポーン(が3本指×4足)と、Perdo 3ポーン(が2本)。削り出すとDam+5の武器になる。呪付素体としては金と同等。

  • 全体でAnimal 5ポーン。鎧に加工すると防護点15、重量-5.0。

  • Vim 5ポーン。〈隠秘知識〉を併用した自動人形の作成には絶好の素材。

  • Ignem 5ポーン。食べると永続的に【体力】+1、黄昏値+1。

  • Imaginem2ポーン(が2つ)。食べると永続的に【知覚】+1、黄昏値+1。
  • 心臓
    Creo 10ポーン。CrIg呪文“奈落の炎球”の焦点具になる。一人で食べると、あらゆる病を癒し、全老化効果(老衰値含む)を除去。複数人で食べた場合は疾病除去のみ。

  • 全体でVim 7ポーン。CrIg呪文“敵意に満ちた炎の刃”の焦点具になる。5ポーン浴びると身体に吸収値5点を付与。2ポーン飲むと自然抵抗と老化判定に3点ボーナス。(ただしこのどちらにしても、黄昏値が1点ずつ増加)。

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