動物のお医者さん

施術者マギ:「すぐ手術するからね」

徒弟:「先生、ぼくにやらせてください。ぼく、まだ盲腸の手術をしたことないんです!」

対象マギ:「絶対イヤ〜〜」

施術者マギ:「まあキミ、誰にでもはじめてということがある」

対象マギ:「でも〜〜」

施術者マギ:「思い出してごらん。キミだってはじめて動物の手術をしたことがあっただろう」

対象マギ:「うう」(それを思い出すと余計にやって欲しくないと思う菱沼であったが、口にはだせなかった)

とか、

グロッグ:「ま、でも、あれだよな。教授がアフリカに行くとしても、オレたちをつれていくとはかぎらないよな。講座には他にも何人も学生がいるんだから。」

コンパニオン:「つれてきますよ。ほかに何人いたって、若くて生きのいいほうからつれてくに決まってますよ〜」

グロッグ:「そんな!」

とか。(台詞はマンガのまんまです)

けっこう参考になりません?(^^)


Vampire.Sさんから、鋭いメールをいただきました。とても真を衝いた内容で、また面白くもあり、私一人で読んでいるのはもったいないので、ご本人の承諾を得て、ここに転載します。

> そもそもコヴナントって、関係者が集まって研究生活を送ると
> いうところからして、大学に似ているんです。

昨日のホームページ更新を拝見して、ふと以前プレイヤーと以下のような会話をしたことを思い出しました。

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某日、某大学ゲームサークルの部室にて。 Ars Magica のプレイヤーとストーリーガイド (SG) の会話。

プレイヤー : SG 、 SG 、僕は自分の Magi キャラクターをボニサグス派の研究者魔術師にするつもりなんですが、なんかロールプレイの参考になるネタはないですかね?

SG: うむ、どうせ俺もお前も大学院志望の理系学生、となれば現代の研究者ネタと Magica のネタとの対応関係をつければ十分だろう。といって俺達には RPG 内でわざわざ現実の理系学問を研究する趣味はないわけで、ネタの出所はむしろ研究者 PC の人的関係と言うことになろうな。この辺のことは Houses of Hermes と Wizard's Grimoire: Revised Edition (WGRE) に詳しく書いてあるのだが、簡単に言えば Magi を記述する人的関係は大きい順に 1. 流派(一門) /House 、 2. トリビューナル(管区集会 /Tribunal 、 3. コヴナント /Covenant に分かれている。もっとも、 1. と 2.& 3. の間に包含関係は無いけどな。

プレイヤー : 流派については一応理解しているつもりです。師弟関係の連鎖ですね。で、よくわからんのがトリビューナルとコヴナントです。そもそも「流派」は日本語でも、こいつらは横文字だ。 WGRE とかを見ると、トリビューナルなんかどうも政治的にコワイ、おどろおどろしい裁判みたいなことが書いてあって、僕なんかはなるべくなら関与したくなくなるんですが。

SG: む……。その見方は一面的すぎるな。先にコヴナントについて整理しておこうか。研究者にとって、ちょうどコヴナントは大学の研究室に相当する。共通の興味を持った連中が、互いに資源を持ち寄って研究を進めるための集団だからな。で、トリビューナルってのはちょうど学会に相当している。各研究室で個別に行われていた研究成果を定期的に持ち寄って、互いに発表し合うんだ。実際、 WGRE によればトリビューナル会期中(の、昼間)は大まかな研究テーマ毎に分科会を開催しているらしい。各人トリビューナルの開催前にまとめた論文 /Tractati を持ち寄って、持ち時間 20 分間 Lectio の 5 分 Disputatio とかで発表するんだろう。加えて、基調 / 招待講演なんかも有るんじゃないかな。

プレイヤー : ……。想像してたのと全然違いますね。なるほど、むしろボニサグス派の魔術師こそトリビューナルに出席するべきなんですね。でも、だったらどうして WGRE にはあんなにコワイことばっかり書いてあるんですか?

SG: 人間が集まればそこには必ず集団としての意志決定 = 政治が絡んでくるからな。オーダーオブヘルメスはそもそもが魔術師の間に政治的秩序を確立する試みだ。……さっきの「トリビューナル = 学会」説には裏面があってな。お前さんも知っての通り、学会の夜には「懇親会」があるんだが、トリビューナルも学会同様夜間は魔術師同士の懇親会になっているんだ。で、実はこの懇親会のほうが正式な「トリビューナル」で、 WGRE だのに載っている「政治集会としてのトリビューナル」は、こっちでやってる。だから、政治談義は全部夜回しになっていて、日没から夜明けまででこなすんだ。「トリビューナル = 政治集会」の観点からいうなら、学会を併設して普通は呼んでも集まらないずぼら魔術師どもを釣っているってわけさ。

プレイヤー : なるほど。…… SG 、それならむしろトリビューナルとは「教授会」であるという説明の方がしっくりきませんか?

SG: 確かになぁ。運営に関しては相互に承認した有資格者(教授)のみの間の多数決とか、そっくりだな。

プレイヤー : それでやっとトレメーレ派が強力な理由が分かりました。連中、「エライ」教授の回りに取り巻きの助教授以下派閥をつくって、「○○先生、もっと論文を出してくださらないと来年度の予算は厳しいですなぁ〜」とかいって圧力をかけてくるんですね。「ただいまより大河内教授の総回診がはじまります !! 」と。

(SG、ものも言わずに殴る)

プレイヤー: 痛い、痛い。

SG: トリビューナルに予算制定権限はないから、そのままでは無かろうが、まぁ実際大学における予算割り当てなんぞ研究割り当ての既得権益調整でしかないと考えれば類推は成立するだろう。ただ、エライ腐った組織だな、おい。まぁ、確かにトリビューナルは学会と教授会を足したようなもんだと思っておけばはずれではあるまい。

プレイヤー : ……。 SG 、一つ Magi キャラクターのアイディアを思いつきました。「編集」魔術師ってどうでしょう?学会前に各コヴナントをかけずり回って、会議録に収録する論文をつついて回るキャラ。「先生〜。締め切り破ってもらっては困りますな〜」

SG: …………。

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