ダイスと判定種々の事柄を論じるにあたって、まずはその土台となるダイスと判定から考察しておきます。 ■各ダイスの期待値シンプルダイス、ストレスダイスは、それぞれどのくらいの期待値と確率分布をもっているのでしょう? 概算すると、以下の表のようになります。
頻用するストレスダイスについて見ると、0〜10の値が94%を占めているのが分かります。つまり、この範囲が通常とりうる値で、それ以上はいわばクリティカルのたぐい(=発生確率 6%)。ちなみに、出目が1だと倍々ゲームが始まるわけですが、この2倍モードの期待値は13.5、また同じく4倍モードのそれは26.8となります。 ボッチの確率は、ボッチダイスの数に左右されます。下の表をご覧ください(ストレスダイス全体に対する確率)。
《細心》をはじめとする、ボッチダイスの数を減らしてくれる美点がいくつかありますが、ボッチの完全な予防という意味ではあまり効果はないのかも。1個減らしたところで1%しか変わりませんからね。一方で、二重三重という重篤なものを、通常のボッチに緩和してくれる機能も含まれているわけで、確実に安全にはなっています。 ■単純判定 判定の基本は〔【特性値】+〈技能〉+ストレスダイス〕です。 難易度の方は、3刻みで0から24以上まで。第五版基本ルールブックの第一章には、難易度の数値別に、イメージされる難しさや確率が表になっていますので、SGはそれを目安に指定するとよいでしょう。 なお、特性値や技能をはじめとする修正は、1点あたり10%の効力があります。ただし、ダイスのみの目標値が10以下になるまでは、ほとんど実効がないことに注意(ダイスの期待値の項を参照)。無駄にウィースや自信値を注ぎこまないよう注意しましょう。 ■対抗判定二者が合計値を競う判定について調べてみます。アルス・マギカの戦闘はすべからくこれですし、他にも黄昏の制御などに用いられます。 まず、ダイス以外の要素をすべて合計したものを「修正値」と定義します。そうして、自分の修正値と相手の修正値を比較します。するとその差がすなわち、ダイスで上回らなくてはいけない値となるわけです。 さてそこで、この振り合いで相手を1点でも上回る確率を計算してみると…(ストレスダイス、ボッチダイス1個を想定)
修正値1点あたりの価値にムラが生じていることが分かります。修正値の差が小さいほど価値が高く(最高で10%弱の効力)、以下次第に低くなっていきます。3点有利なら7割勝利と憶えておいて、そこを目安に操作するとよいでしょう。 [戻る] |