魔術団内の交易サガの性質にもよりますが、マギたちもお互い同士で売り買いや頼み事頼まれ事をするものです。個人間でなくコヴナント間の外交となるケースもあるでしょう。不得意な分野を外注するのはもちろんですが、自分がいくら有能でも、いえ、有能であればあるほど、小さな仕事は部下や外部に任せた方が効率がよくなるものです。 たとえばこの魔術物品はいくらで売れるのか。たとえば彼に半年かけて呪文を開発してもらうには、どのくらいの謝礼を払うのが相場なのか。さらにはウィースと金銭の関係は。そういった部分をルールブックやサプリメントから拾い集め、また、簡易処理したい場合のハウスルールも考えてみました。 ■ルールまとめまずは本来のルールから。サプリメント『ヘルメス諸派:師承学派』(HoH:TL) p.85、『ヘルメス諸派:神秘教団』(HoH:MC) p.114、『コヴナント』(Covenants) p.69 の記述を総合すると、下記のようになります。 □ウィース 生のウィースは呪付に成長に儀式呪文にetc...と使い道が広く、お役立ち度が高いために、大変需要が高いものです。お金で買おうと思っても、確実に買える保証はありません。ウィース1ポーンあたり金銭10ポンドが一応の相場ということになってはいます。(参考:マギ6人からなるコヴナントの歳入が100ポンド。歳出を引いて10ポンド残れば上出来です) 別なアプローチとして、基本ルールブック所収の儀式呪文 CrTe20"ミダス王の手"は、80ポンド相当の金塊を創造します。20レベルの儀式ということは、Creo か Terram のウィースを4ポーン消費。よって、ウィース1ポーンを金銭20ポンドに変換することになります。 □魔術物品 ウィースを通貨とした魔術物品の価格は、まとめると
俗世に売るときなど金銭で取引する場合には、上記ウィース価格の1ポーンあたり15ポンドがウェルディーティウス派の公式相場です。たった10レベルの簡易呪付物を2つ作るとそれでもう90ポンドと、コヴナントの歳入をほぼ賄えてしまいます。もっとも、マギにとってウィースと並んで時間は最重要なリソースですから、これを高いとみるか安いとみるか。 □赤帽銀行 メルケーレ派の赤帽士たちは、本分であるメッセージの配達の傍ら、ウィースを軸とした交易活動も行っています。宗主座ハルコーはまさに魔術団の情報と物流の拠点。 一番手近なのはウィースの種類の交換で、
というのが公定レートです。技法のウィースは形相のウィースの2倍の価値があり、また、交換にあたっては半額の手数料をとられる、というのが原則の模様。コヴナント設立のときなんかは、技法のウィースも形相のウィースもかかる建設値は同じですから、マンチ的には全部技法で構成してしまうのが正しい(^^;) 赤帽士はウィースの貸付や預金も行っています。利率は年あたり 20% と超高利(これはもう大口預金するしか!)。なお、同時に貸し付けてもらえる量は一人あたり10ポーンが上限です。また、魔術物品の質入れもでき、渡しているあいだ価値の50%相当のウィースを借りられます。 ■交易の簡易ルール(ハウスルールの提案)こうした外注などをさらに簡単に処理するためのハウスルールです。コヴナント間の折衝や人付き合いを丁寧に楽しむシナリオには向きません。それ以外のところに焦点のある場合にどうぞ。 □相手選び 望むような相手を見つけてアポを取るには、【知性】+〈魔術団知識〉で判定します。
□相場 1季節の仕事を依頼する場合の相場は、[研究値÷10]を術法ベースの成長表に当てはめます。研究作業全体でなく、助手として入ってもらうときは、[知性+〈魔術理論〉]÷3を同表に当てはめます。まとめると下記。
その他の価格は以下のとおり。単位はいずれもポーン。
□発注交渉 話がまとまるかどうか、【交渉】+〈策略〉で判定します。難易度は謝礼の多寡で決まります。この判定は1人あたり、1季節に1回のみ可能。
判定に失敗すると話はまとまらず、次回以降の判定に−1ペナルティ(成功するまで累積)。ボッチすると以降3年間は判定に−3ペナルティ。 なお、ウィースを献上するなどして、一時的に関係の改善を図ることが可能。目安として、ウィース1ポーン相当を差し出すたびに、上記判定に+1。こうして得た修正は、1季節経過するたびに1点ずつ減少します。 なお、こうしたテーマを扱った記事としては、旧版時代の内容になりますが、Andrew P Smith氏 が Durenmar に投稿した中にも、魔術団内の(ウィースを軸にした)経済についての充実したハウスルールがあります。ご参考までに。 [戻る] |