呪文の特質/Spell Colour

(ハウスルールの提案)

海外のファンサイト"Rabenstein Covenant"に掲載されています、呪文に彩りをもたらす「特質/colour」のハウスルールを、第五版対応に(勝手に)アレンジしました。呪文に制限をかけることでレベルを下げ、研究や行使を容易にすることができます(処女を生贄を捧げて25レベル減!)

元の文章はこちら、翻訳はこちら。また、元の形では11種類の特質があったり、該当する秘儀知識が必要だったりしますが、それら各所を整理してシェイプアップしています。



■■基本■■

「射程」「持続」「対象」に次ぐ第四のパラメータとして「特質」を導入する。
特質が一段階上がるたびに、呪文の強度が一つ下がる(=5レベル下がる)。

例:CrCo"甦りし生命の影"の通常の術式は「基本70, +1接触」で75レベル。ここで真の信仰の持ち主を生贄にしなければ発動しない(「生贄」の特質の5段階目)バージョンを作ると、術式は「基本70, +1接触, -5生贄」で50レベルとして扱える。レベルが下がると開発の所要時間が短くなるし、行使判定の目標値も下がることになる。

■制限■

0) トループで相談して下記から片方を選択。
オプションa) 特質を用いるには、該当する小の美点を秘儀伝授されていなくてはならない。
オプションb) 特に条件なく、誰でも特質を用いることができる。

例:オプションa)を選択した場合、生贄の特質を用いるには《生贄魔術》が必要。オプションb)を選択した場合には、特に美点がなくても誰でも使うことができる。

1) 定められた要件が備わっていないかぎり、特質つきの呪文は行使できない。

例:信仰者の生贄を条件につけたCrCo"甦りし生命の影"は、信仰者を生贄にしないかぎり行使できない。生贄にしてみて信仰が本物でなかったりしても呪文は失敗する。

1a) 特質を抜いた強度に等しいポーン数のウィースを消費すれば、要件を無視して行使できる。

例:上述の呪文の術式は「基本70, +1接触, -5生贄」で、特質の分(-5生贄)を抜くと75レベル=15強度。よって15ポーンのCreo/Corpusウィースを消費すれば、信仰者の生贄の代替になる。

2) 織りこむ特質の内容は開発時に決定され、後で変更することはできない。

例:同じ「-5生贄」であっても、信仰者のかわりに幼児を使うわけにはいかない。

2a) 織りこむ特質の内容は、呪文の内容を反映したものになるよう努める。
2b) 織りこむ特質の内容はPLが提案し、SGはじめトループ全体の許可を求める。

例:PLはキリストの復活からの連想と主張。他の皆も認めた。

2c) 取得している欠点と重複する内容の特質は指定できない。

例:「歌をうたう」として欠点《発動条件/Necessary Condition》を取っているマギは、クリスマスキャロル(-1祭礼)を条件とする呪文は使えない。

3) 一つの呪文に織りこめる特質の数には上限がある。

3a) 0)項でオプションaを取っている場合には、一つの呪文に織りこめるのは特質一種類あたり一つだけ。

例:信仰者(-5生贄)とフェニックス(-4生贄)の両方を生贄にして「-9生贄」とすることはできない。しかし、復活祭に(-4時節)信仰者を生贄にする(-5生贄)のを条件にすれば、「基本70, +1接触, -4時節, -5生贄」で30レベルとして開発&行使できる。

3b) 0)項でオプションbを取っている場合には、一つの呪文に織りこめる特質は全部で一つだけ。

例:復活祭に(-4時節)信仰者を生贄にする(-5生贄)の両方を一つの呪文に織りこむことはできない。

■運用■

1) 定式呪文:開発時に内容を指定。原則どおり。

2) 儀式呪文:開発時に内容を指定。ただし、特質をかけずに開発した儀式でも、行使の際にふさわしい条件を整えることで、消費ウィースのみ節約できる(レベルは変わらない)。

例:特質をつけていない純正なCrCo75"甦りし生命の影"でも、行使の際に信仰者を生贄にすれば(-5生贄)、ウィースの消費を15ポーン→10ポーンに節約できる。レベルは75のままなので、開発や行使の難易度は変わらず75。

3) 即興呪文:特質は織りこめない。

4) 魔術物品:呪付時に効果ごとに内容を指定。条件を満たさないと該当する効果は使えない。一つの物品内に異なる特質の効果を混在させてもよい。


■天空/Celestial Colour

  • -1強度
    • 火星:火星が昇っている。2〜3ヶ月に数週間。
    • 金星:金星が昇っている。月に数日。
    • 頃合:一日の太陽または月の位置によるもの。一日に数時間。朝・昼過ぎ・夕暮れ・宵の口・夜更け。
    • 星座:特定の星座(北斗七星・オリオン座・北極星など)が昇っている。毎晩数時間だが年間の時季や星座によっても変わる。「
  • -2強度
    • 木星:木星が昇っている。一旦昇れば何週間も続くが、何ヶ月も沈んだままにもなる。
    • 土星:土星が昇っている。一旦昇れば何週間も続くが、何ヶ月も沈んだままにもなる。
    • 寸時:毎日起こるある一瞬(太陽や月の入れ替わりや頂点など)。数分(最大でも15分)しか続かない。
    • およその月相:指定した月相の前後含めて三晩で、なおかつ月が昇っている。
  • -3強度
    • 十二宮:該当する星座が昇っている。一年に一ヶ月。
    • 正確な月相:指定した月相の晩で、なおかつ月が昇っている。
  • -4強度
    • 年に一度:年に一度の星の配置。
    • 普通でない天文:おおむね年に一日だけ(もしくは一年に二度起きて翌年は起きない)。
    • 合:惑星や恒星の合。
  • -5強度
    • 稀な天文:彗星・食・流星・季節に4度目の満月。3年に1度が目安。

占星術に基づき、ふさわしい時期を見計らう。夜でなくても行使可能。

PeAq50儀式"忌まわしき干ばつの招来"は、事前に織りこんでいなくても、(水に結びついた双魚宮の対極に当たる)処女宮の時期に行うと、「-3天空」となって3ポーン分のウィース消費が軽減される(10ポーン→7ポーン)。開発や行使の目標値は50のまま。

■時節/Haruspices

  • -1強度
    • 昼夜:昼間。夜間。
    • 潮汐:満ち潮のとき。引き潮のとき。
    • 土地の周期的な現象:雨季乾季。
  • -2強度
    • 週に一日:日曜日。
    • 一日に一時間:月が教会の塔と重なったとき。
  • -3強度
    • 月に一日:その月で最初に雨の降った日。月例の市の初日。
    • 季節:春夏秋冬。豆の収穫時。四旬節。
  • -4強度
    • 一年に一日:ハローウィン。冬至。聖マルタンの祝日。
    • 例年の出来事:初霜の降りた日。最初の白鳥が渡ってきた日。
  • -5強度
    • 十年に一度:春分の次の満月が日曜日な年のイースター。
  • -6強度
    • 百年に一度:世紀をまたぐ夜。

地上の規則的な周期に基づき、ふさわしい時期を見計らう。

  1. 土地や時季、その年の気候によって伸縮する(厳寒の年には冬が長い、夏至には昼が長い等)。

実力値50の大悪魔を封印するために、ReVi70(結界基本50, +4年)の呪文を作るとする。イースターに儀式を行わなくてはならない(-4時節)ことにすると、70レベル→50レベルとなって行使が易しくなり、消費ウィースも減る。その代わり、万が一にもイースターの日を逃してしまうと、翌年まで封印のかけ直しがきかない。

■祭礼/Ceremonial Colour

  • -1強度
    • 祭具:相応しい色の衣服・名前を記した聖なる紙・五芒星・指輪・剣・宝石。
    • 自然物:薬草・露・血。対象に塗ったり食べさせたりしなくてはならない。
    • 踊り/歌:【器用】+〈運動〉または【交渉】+〈音楽〉で難易度9。
  • -2強度
    • 灯りと香:蝋燭・銅の壺・特定の薪。香木・香水。灯りと香の両方が必要。
    • 珍しい自然物:マンドラゴラなど。対象に塗ったり食べさせたりしなくてはならない。
  • -3強度
    • 魔法陣:魔法陣を描く。[【器用】+〈呪文操作〉]の判定で難易度9。
    • 群舞/合唱:元呪文の強度に等しい人数の参加者全員が、[【器用】+〈運動〉]または[【交渉】+〈音楽〉]の判定で難易度9。

とりわけ複雑な祭礼を行って魔力を呼び起こす。

  1. 元呪文の1強度あたり1分かかる。速唱も不可。儀式呪文は通常どおり。
  2. 儀式の要件は低い段階から、一段階につき一つずつ累積する。

ReCo"眠れる屍の覚醒"に「-2祭礼」をつけるとする。祭具として緑のトルコ石、灯りとして赤ん坊の洗礼命名式の蝋燭、香として良い匂いの食べ物を使うことになった(累積していくので灯りと香だけでなく祭具も必要)。

■天候/Tempestarii

  • -1強度
    • 正常:過ごしやすい気温・日光・穏やかな風・雲。
  • -2強度
    • よくある:地面に降りた露・雨・曇りの日・霧・寒い気温・暑い気温。
  • -3強度
    • 少ない:雷雨・雪・地面の霜・うだるような暑さ・凍えるような寒さ・強風・天気雨。
  • -4強度
    • 珍しい:あられ・洪水・砂嵐・竜巻・虹。
  • -5強度
    • 異様:ハリケーン・大洪水・津波。

天候の力を呪文の追い風にする。

ReTe75"ヘルメスの門"を、虹がかかっている時に行う(-4天候)と、通常15ポーンのウィース消費が11ポーンで済む。

■場所/Location Colours

  • -1強度
    • よくある:一日歩く中でたいがい見つかる場所。野原・池・丘の上・川岸・森・道・墓地・村・粉挽き場。
  • -2強度
    • 少ない:「よくある」より見つけにくいものの、通常の範囲を外れていないところ。洞窟・大聖堂・湖・戦場・トネリコの林・ローマ遺跡・橋。
  • -3強度
    • 珍しい:元からの住人でないとまず行けない。砂漠・火山・氷河・トロールの橋・温泉・王の出生地。
  • -4強度
    • 固有:特定の一地点。自コヴナント内。ピレネー山脈の頂上。
  • -5強度
    • 別世界:エデンの園・ステュクス川・オリュンポス山・アルカディアの一部・精霊界・アトランティス。

一定の場所に呪文を最適化する。

PeCo45"死の接吻"を宮廷でのみかけられるようにする(-2場所)と、35レベルとなって行使が易しくなる。

■生贄/Sacrificial Colour・Blood Magic

  • -1強度
    • 小さな動物:狐・兎・蛇・亀・3羽の雀・7匹の鱒。
  • -2強度
    • 大きな動物:牛・鹿・羊。
    • 獰猛な動物:狼・熊。
  • -3強度
    • 珍しい動物:白い毛の兎。
  • -4強度
    • 人間:条件問わず。
    • 幻獣:獅子・象・グリフォン・ユニコーン・人魚・ワイアーム・タコ・フェニックス。
  • -5強度
    • 一定状態の人間:幼児・処女・長男・修道士・癩病患者・酔っぱらい。
    • 固有の獣:クラーゲンフルトのワイアーム。ライン川のローレライ。

望む効果に強く結びついた生贄を捧げ、魔力を増幅する。

  1. 殺さずに一部を切り取る場合は、特質の影響が一段階少なくなる。

CrCo40"肉体全快の呪歌"に、ユニコーンの角を切り取らないと儀式を行えないことにする(-3生贄)と、CrCo25として開発/行使できる。

■予鳥/Augures

  • -1強度
    • さえずる小鳥:小さくて鳴く鳥。スズメやツグミ。例外的に、鳥の種類まで特定しなくてよい。
    • 籠の鳥:飼い慣らされたり調教されたりした鳥。貴族の鷹や農家の鶏。
  • -2強度
    • 特定の小鳥:「さえずる小鳥」の、鳥の種類を特定したケース。
    • 猛禽:鷹・鴉・鷲・フクロウ。例外的に、鳥の種類まで特定しなくてよい。
    • 海鳥:カモメ。
  • -3強度
    • 渡り鳥:カモやガチョウ。
    • 特定の猛禽:「猛禽」の、鳥の種類を特定したケース。
  • -4強度
    • 珍しい鳥:100歳のフクロウ。
  • -5強度
    • 伝説的な鳥:フェニックス。

鳥の飛び方/鳴き声/振る舞いを観察し、占術の助けとする。

  1. Intellego魔法にのみ適用可能。
  2. 鳥の状態(雛など)を追加指定すると、強度変化が1段階上になる。

InAu"船乗りの天気読み"に、カモメの飛び方を観察する条件をつけると、術式は「基本4, +1接触, +2集団, +1サイズ, -2予鳥」となって、レベル20→レベル10に下がる。


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