老化アルス・マギカでは季節単位で物事が進んでいくため、弟子入りから老衰死(あるいは黄昏)までのキャラクターの生涯を描くサガも簡単に行えます。そのために用意されているのが老化のルール。延命術で時を止めたマギと、老いていくグロッグとの涙の別れなんてのは美しいパターンですよね。 ■長寿薬 老化を防ぐ手段として、まず一番メインになるのが長寿薬です。 なお、長寿薬の効力はInCoの研究値に依存するわけですが、一方で、作成時にウィースを消費するため、Vimも伸ばして消費上限を上げなければなりません。ところが、Vimを伸ばすということは、すなわち黄昏値の蓄積に直結しますので、「終末の黄昏を先延ばししつつ長寿薬の効力を上げる」というこの兼ね合いが焦点になります。
また、"Mysteries"には錬金術の頂点として《エリクサー/Elixir》が掲載されました。これはさまざまな特典の中に、長寿薬のヴァリアント的な機能も備えており、通常の抗老化作用に加えて、老化判定に失敗しても実力値が5点減る(=抗老化年齢が10歳分低下)だけで、作り直す必要がありません。しかも、1点単位で判定の不足分を補えますから、最後の一滴まで無駄なく使い切れるのです。 ところで、長寿薬を摂った人物は生殖能力を失います。第四版ルールブックはこれを「自然の生理を妨げるため」と書いていますが、もう少し別な語り方もあるかと思います。 夢使いは年をとるのがとても遅い。常人を越えてはるかに生きる。 人は親から子へと繋がって永遠の生命を得るという見方があります。創造の模倣と気張って行われたホムンクルスなんぞ、世の女性たちは軽々と乗り越えてしまうのです。長寿薬を摂るとは、それにあえて逆らっていく行為。頭の隅においておくといいかも。 ■生活環境先の長寿薬の伝でいくと、コヴナントの〈環境〉は、ボーナス1点につき「抗老化年齢」に+10と考えられます。長寿薬と相乗するので重要ですが、なにせコスト高なのが難点です。目安として、20ポイント(秋コヴナントの1/4)を注ぎこむと+4ボーナスとなり、これだとマギなら実年齢の半分の研究値が得られるかぎり老化しないことになります。 なお、社会階級(暮らしむき)によっても±2の修正がつくわけですが、コヴナントの生活水準を大貴族並みに引き上げるには、〈利便〉にそれこそ二桁のプラスポイントを割り振らねばなりませんから、老化対策にかぎって言えば効率がよろしくありません。まぁ住んでいるキャラクターは、豪勢な暮らしができて幸せかもしれませんけどね(笑) また、コヴナントの〈魔術物品〉を長寿薬に回せれば、ルール的には2ポイント(=6人なら12ポイント)で研究値150点分のものが手に入ります。ですが、〈環境〉と合計して32ポイントで抗老化年齢340(+79ボーナス)ということを考えると、ルールバランスの観点からはあまり好ましくなく、ストーリー的に優れたコンセプトがないかぎり、控えておくのが妥当でしょう。 ■妖精がらみ老いることがなく病にも罹らない妖精たちは、重要な研究対象です(笑) まずストレートに、美点《妖精の血》は「抗老化年齢」を+10してくれます。この点に関しては、ゴブリンでもシーでも変わりません。これも〈環境〉と同じく長寿薬に重なるので、地味に強力といえるでしょう。 それと忘れてはいけないのは、妖精の使い魔です。そちらの銅綬は1点ごとに老化判定に1点ボーナスがつきます。しかも+5〜15の紐帯特性《自然との絆/Link of Nature》もとれば、+5あたりさらに1点ずつボーナス。合わせると最大で「抗老化年齢」60歳分になるわけで、見逃せません。もっとも、〈妖精魔法〉5点以上、Animal 15点以上などと条件が厳しいので、ほぼメリニータ派限定でしょうが。 ■理論の限界現在のヘルメス魔法では、理論上の限界から、老衰値や病状値を取り除くことはできないとされています。しかしこれは逆をいえば、WGREの基礎研究ルールで打破できる余地がある(かもしれない)ということです。おそらくデュレンマールかどこかでは、優秀な研究者がこのテーマに人生を捧げているんではないでしょうか。(一方で、アグリッパのようにエキセントリックな方法論のマギもいますけど…)。 [戻る] |