老化

 アルス・マギカのキャラクターは、実力値持ちなどの例外をのぞき、年月の経過とともに老化します。詳細は基本ルールブックの第10章をご覧ください。

■老化の進み方

 老化の影響は、老衰値の蓄積による特性値の低下(ひいては様々な判定値の低下)がまず一つ。もう一つは、「生命の危機」判定による死亡の可能性です。「生命の危機」判定は、老化判定で特定の目を振った際に行うほか、老衰度が4以上(=老衰値が50以上)になると、長旅や戦闘のたびに行わなくてはなりません。
 一方、老化を遅らせる要素としては、「生活環境」「延命儀式」「美点」が直接に作用します。また【体力】とかかりつけ医の〈医学〉そしてCrCo儀式が、「生命の危機」判定を生き延びる可能性を増やしてくれます。

 それを踏まえた上で、拙作の「老化シミュレーター」(excelシート)をご覧ください。これは上記の要素をまとめたもので、当該年後の老化の進行状況を概算してくれます。結果出力の項目は詳しくは以下のとおり。

  • 【知性】の低下:【知性】指定で蓄積される老衰値
  • 【知覚】の低下:【知覚】指定で蓄積される老衰値
  • 【魅力】の低下:【魅力】指定で蓄積される老衰値
  • 【交渉】の低下:【交渉】指定で蓄積される老衰値
  • 【筋力】の低下:【筋力】指定で蓄積される老衰値
  • 【体力】の低下:【体力】指定で蓄積される老衰値
  • 【器用】の低下:【器用】指定で蓄積される老衰値
  • 【反応】の低下:【反応】指定で蓄積される老衰値
  • 任意の特性値の低下:任意割り振りで蓄積される老衰値
  • (合計):予想される老衰値の合計
  • 老衰度予想:予想される老衰度
  • 負荷時の生存率:負荷のかかる行動を行って「生命の危機」を強いられた場合の生存率。
  • 特性値平均:特性値の平均をとったときに予想される値(老化前は+0〜+1が普通)
  • 自然生存率:常に安静を保ち、冬の老化判定のみで暮らした場合の生存率。
  • 想定外見:予想される外見年齢
  • 実年齢:実年齢
  • 生命の危機の回数:その年までに予想される「生命の危機」の回数(=延命儀式をかけなおす必要のある回数)
  • 老化修正:その年での老化判定の修正
  • 生命の危機修正:その年での「生命の危機」判定の修正

 特定の特性値を指定しない老衰値が大半を占めるのは、老化判定でいわゆる13を振ったときに一度に蓄積される量が多いためです。これなら年長のキャラクターを作成する際など、簡易的に処理したいときには、全老衰値を任意割り振りにしても大きな差にはならないようですね。

■平均寿命

 前述のように老衰度が4に達するとまともに動けなくなりますから、キャラクターとして働けるのはそれまでと考えることにしましょう。この目安に達する年齢を、[生活環境+延命儀式+美点]の合計別にシミュレートすると、おおむね下記のようになります。

  • -2:55歳
  • -1:60歳
  • 0:60歳
  • 1:65歳
  • 2:70歳
  • 3:80歳
  • 4:85歳
  • 5:95歳
  • 6:100歳
  • 7:110歳
  • 8:120歳
  • 9:130歳
  • 10:140歳
  • 11:150歳
  • 12:160歳
  • 13:170歳
  • 14:180歳

 +6以上では[合計値×10+40]歳、+5以下では[合計値×5+60]歳あたりで近似できます。「人生60年」+「合計値が3点上がると1/3ずつ増える」という憶え方も可。
 合計値について主だったところを挙げると、世俗の貧困層で-2、一般で0、富裕層で2、若手マギの延命儀式で5、師匠クラスに延命儀式してもらうと8、CrCoまたは延命儀式の専門家に頼ると12以上といった案配でしょうか。
 あとこれは狙ってできるものではありませんが、合計値は偶数が多少有利です。奇数だと13を振る可能性があるため。

 なお、美点《濃い妖精の血》は老化判定の開始を15年遅らせてくれます。老化修正自体にも3点ボーナスがつくので、同じ生活環境&延命儀式の人間と比べると、総合してだいたい25歳〜30歳くらい寿命が延びるようです。

 ただ一方で、マギの寿命の長さを左右するのは、肉体の老いよりも黄昏かもしれません。歪曲度10/歪曲値275で終末の黄昏に入ります。徒弟卒業後は年あたり平均2ptのペースで蓄積していくのが普通ですから(延命儀式1pt+ボッチ1ptくらい?)、多めに見積もっても卒業後140年が限度。ArM5の第3章では、120年が現実的な最高値としています。きわめて遅く20歳で弟子入りし、35歳で卒業したとしても、180歳までには黄昏に入ってしまう計算。
 ちなみに180歳のマギの延命儀式に必要なウィースは36ポーンで、これを正直に賄うには〈魔術理論〉が18点必要です。狂った値ですね。ウェルディーティウス派の秘儀(上級ルーン)が適用できれば〈魔術理論〉6の〈哲学〉6でもOKなんですが、たしかルーンを刻まないといけなかったと思うので、私がSGなら基本不可かなあ。

■成長との兼ね合い

 季節経過以外では基本的に経験値を得られないルールですから、技能値は年寄りほど確実に高くなります。これと老化による特性値低下がどのようにバランスするか。

 まず、老化判定の修正合計が0だと、特性値平均は30代以前+1・40代+0・50代-1〜-2といった感じです。一方、通常の経験値が35歳570pt・45歳720pt・55歳870ptで、まあざっくり技能を10個取るとすると、各々の技能値は概算で35歳4・45歳5・55歳5といったところ(実際は傾斜配分するのでもっと高くなりますが)。40代は経験でカバーして現状維持・50代になると衰えが目立ちだすということでしょうか。「現代人は生活環境3」もしくは「4/3倍すれば現代の年齢になる」と憶えておくと良さそうです。

 延命儀式を用いるマギの場合はさまざまですので、これは上記のシミュレーターで個別に計算なさってください。つるかめつるかめ。

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