貨幣価値

 ArM始めたばかりのころの情けない実話…

わたし(SG):君たちの新興コヴナントは貧乏で、あちこちに負債を
      抱えている。全財産かき集めても30ポンドしかない。

プレイヤー:で、それっていくらくらいなの?

わたし(SG):うーん、困ったな。現代とは物価のバランスが違うしね。
      そうねぇ、1/4ポンドあれば豚が一頭買えるよ。
プレイヤー:ぶ、豚一頭!? そんなこと言われたって…
わたし(SG):いや、小さな家族なら冬越しの間の蛋白源はこれでバッチリ!
プレイヤー:ははは…(もはや笑うよりない)


 驚くべきことに、アルス・マギカの第四版ルールブックには、いわゆる物価表が載っていませんでした。あるのは武装水準に関連して、「高価」「標準」「安価」の三段階だけ。私自身はこれを、浮世離れした魔術師が俗っぽい瑣事にかかわらずにいられるように、というコンセプトと受け取っていましたが、しかしそれでも実際のプレイでは何かと不便なのも確かです。「裕福なコヴナントなら予算を湯水のように使って希少な呪付素体を調達できるのではないか」とか、「【発展】の〈収入〉にプラスポイントを入れることで得られる年あたり銀50ポンドの余剰資金には具体的にはどんな使い道があるのか」とか。

 実際、こうした声は多かったらしく、ちらほらとフォローする記事が出ていました。たとえば、WGREのp.14には、赤帽士の談話という形をとって、贅沢な暮らしやそのために魔法資源を消費することへのスタンスがあり、また、ストーンヘンジ管区を扱った"Heirs to Merlin"には、現地の物価表が載りました(p.30には農民や日常生活、p.91には貴族関連)。
 ユーザーサイドの自助努力(?)も当然あり、代表的なところでは Andrew P Smith 氏が Durenmar に投稿した記事の中に、魔術団内の(ウィースを軸にした)経済について充実したハウスルールがあり、その一部として、各管区におけるウィースと銀貨の取引相場が。日本だと、氷川霧霞さんが作成なさった物価表があります。


 しかしおそらく、現段階でもっとも簡便な公式は、

1ポンド=100gp

でしょう。

 "The Black Monks of Glastonbury"のp.69に、おあつらえむきの箇所がありまして。このサプリメントは実験的な試みとして、アルス・マギカとD20システムで共用できるように、同一の事柄を両方のルールシステムで記述しているのですが、悪魔と取引して得られる黄金の量について、「(diabolistの)クラスレベルごとに5,000gp、伝承ヨーロッパでは銀50ポンド」となっているのです。
 これを準用すると、《自由民》一家の年間生活費は200gp、地所持ちの騎士なら2,500gp、マギなら5,000gp相当。平均的なコヴナントの歳入&歳出が50,000gpって感じになります。うーん、そんなもんなんですかねぇ…。o ○

 あと、2004/08/19付で出た第五版のプレスリリースの中で、「伝承ヨーロッパの章にはプレイに直接役立つ情報をもっと載せる」というような予告がありました。今度はこういうのも補完されるんでしょうか。

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