成長■経験点500時間説経験点1点には、即物的にはいったいどれくらいの価値があるのでしょうか? 心理学者の間では、半ば冗談めかして、ある一つの分野で人間が熟達するのに要する時間を、概ね次のように見積もっているそうです。
この階差状の積み上がり方、何かを思いつきませんか?
この通り、第四版ルールブックに書かれている目安にわりと近似しています(厳密には1/3/5ですが、専門化も考慮すれば…)。つまり、経験点1点は、約500時間の学習に相当というわけです。 シナリオで2点しかもらえなくとも、たった数日で1000時間分の進歩と考えれば、なんだかずいぶん実り多い経験をしたような気がするから不思議です。ごねるプレイヤーにはこうして説得するといいかも。 なお、術法については5倍換算のスケールになっていますので、経験点1点あたりの価値は1/5に減少します。ただし、主たる経験値獲得手段である、蔵書研究とウィース実験で得られる経験点の量も5倍になっていますから、成長速度そのものは他の能力と変わりません。 (この文章は、2000年10月27日付で「Ars Magica メーリングリスト」に投稿したものに、用語等で手を入れたものです) ■数値上乗せ系の美点 《魔術との親和》はついつい数値を高くしがちですが、それは罠。術法と能力における経験点のスケール差を考慮すると、〈親和〉の値は、術法値÷5(端数切り捨て)にするのが最適なのです(例:Intellegoが
22 なら〈魔術との親和(Intellego)〉は 4
で十分)。 配分のきくキャラ作成のときには、これを目安にしましょう。そうした目でみると、美点の評価も変わってきます。《軍事経験》や《高等教育》などで他分野の経験点を7点確保すれば、その分、年齢でもらえるプレーンな経験点を〈親和〉に回すことができます。逆に《術法を追加で取得》は、〈親和〉の経験点に直すと2点分にしかなりませんから、長期的には明らかに損です。 ただし、《術法を追加で取得》にも存在意義はちゃんとあります。それは「即戦力」。《魔術との親和》だと元手がかかる上に、作ったばかりのキャラクターでは〈親和〉に釣り合うだけの術法値を持てません。 ついでに余談。ここまで術法中心で書いてきて何ですが、《魔術との親和》はそもそも、天賦の才を発揮する得意分野の表現に適しています。ですから、なるべくなら術法を直接対象にとるより、もっと具体的な内容にするのをオススメします。コストも低くなりますし、キャラ立てにはそちらの方が有利です。 また、術法のかわりに能力を上乗せする《才覚》も、《親和》と似た特性をもっています。即戦力系の《軍事経験》等との比較で考えると、対象の能力の値が6を越えたところから真価を発揮します。どちらを持たせるかは、その辺りのヴィジョンをにらんで決めましょう。 ■まじないおばばの脅威本家 Atlas Games 社で公開されている、第四版ルールの強度試験 Covenants project のデータを(何の気なしにいまさら)眺めていて、ぶっとびました。150年経過サンプルの中に入っていた雑集派マギ、Edanです。 Arts(術法): …はっきり言って人間の数字じゃありません。いや、たしかに彼は妖精の血が混じっていて生粋の人間じゃあないんですが、それはこの際関係なくて、172歳とはいえ、40overはせいぜい2〜3個のイメージでしょう? それをほとんどすべての術法で持っているなんて。即興で50レベル以下のどんな効果でも発動できるって、人としてそれはどーよ? 犯人はこいつ。 Equipment: "Hedge Magic"所収の Cunning-folk
は、一時的に特性値や能力値を増加/減少させたり、美点や欠点を付与/除去したりする
Charm / Bane(護符/厄符)を作成できます。そうなるとまあ、たとえば〈指揮〉を上げるだとか、《ヴィーナスの祝福》を付けるだとかというのが、まっとうな発想なわけです。 [戻る] |